立向居「……」



綱海「なあ名前か名字、サーフィン行かねえか?」

名前か名字「慎んでお断りしますさようなら」

綱海「えー」



立向居「……」



綱海「なあなあ、いいじゃんか。俺は名前か名字と波に乗りてえんだよ」

名前か名字「お前の気持ちはすごく嬉しい。が、まだ俺も14歳だ。命は惜しいというか今にも失禁しそうでこわい」

綱海「トイレ我慢してんのか?」

名前か名字「違う、だが俺はこのままお前と会話し続けることによって生命の危機を迎えることになるわけだ。というわけでさようなら」

綱海「ちぇー、仕方ねえなあ」



立向居「……名前か名字さん」

名前か名字「?!(えっ俺断ったじゃんどこで地雷踏んだ?!!)」

立向居「綱海さんからのありがたいお誘いを断るってどういうことですか地中二百メートル下までムゲンザハンドで埋められたいんですか」

名前か名字「結局どう答えてもこうなるのかもはや鬱としかいいようがない」








勝手にしろよバカップル








立向居と綱海は恋人だ。まあ男同士っつうかなり難しい壁はあるわけだが、一応周りからは公認の仲である。
俺はそういう類いじゃないからよくわからんが、とりあえず二人とも幸せそうだからこれでいいんだろう。

が、
しかし。

だからと言って面倒なことに巻き込まれるのはごめんだ。絶対にごめんだ。ありえない。普通に帰りたい。

今、俺は海に来ている。綱海と立向居と、なぜか三人で。
馬鹿じゃねえの俺おじゃま虫じゃん。なんでここいんの、というかなんで俺を連れてきたし。やだもう帰りたい帰りたいはやく宿舎に帰りてえぇえぇえええ!



綱海「よっしゃー海だぜぇー!!」

立向居「あっ、転ばないように気をつけてくださいね!」

綱海「おーう!」

立向居「綱海さんかわいい綱海さんかわいい綱海さんかわいいああもうヤバいです」

名前か名字「やばいのはお前の頭ん中だろうが」

立向居「いや普通に水着の下の俺の息子もry」

名前か名字「おまっ一年前まで小学生だったガキが何口走ってんだ!!」

立向居「俺の方が普通に名前か名字さんより進んでるんで調子のんないでください。あっ、言っちゃった」

名前か名字「今の口滑らせたとかそんなレベルじゃねえからな」



明確な悪意しか感じない。ってかこいつ俺の後輩だよな?うわっ俺よわっ!(しかし命は惜しいので反論は最低限)

ムゲンザハンドはえろいことをするための技だと誰かがいっていた。(我がイナズマジャパンの裏のキャプテンだが。)本当に?いや、ちがう。そうだとしたら俺は今ごろ人間不信に陥って精神科に通う毎日を送っているはずだ。
かといってあれは単にサッカーをするためだけの必殺技じゃねえ。確実に。


あの手は拷問用にあるんだ。たぶん俺みたいなか弱いやつらを手駒にするために、自由自在に操ってんだ間違いない。



名前か名字「で、俺らはどうすんだよ」

立向居「……はっ」



むぅかぁつぅくぅううううう!!!!!
なんだ今の顔!!『はっ、そんな今さらなこと聞いてんじゃねえよ』みたいなツラしやがって!



立向居「これです」

名前か名字「あ?」

立向居「綱海さん専用アルバムとボイスレコーダー。もちろんビデオカメラも別に持ってきました」

名前か名字「で?」

立向居「撮りましょう」

名前か名字「どんくらい」

立向居「俺の気がすむまで」

名前か名字「お前、まさかこのために…」

立向居「やばいやばい綱海さんってば超かわいい!!ちょ、あの海パンひんむきたい!!!」

名前か名字「……」






あっ、俺今日まったく海で遊べない感じじゃね?



(もう二度とこいつらと海なんか行くか)


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