俺にはこの世で嫌いなものが三つだけある。 幽霊だろうがゴキブリだろうがそんなものは全く屁でもない俺だが、その三つだけは無理だ。 仮に好きにならないと日本に核が落とされると言われようが、頭に犬のうんこ投げつけられようが、どうしても無理なものは無理だ。いや、まじで。 一つ目は、雷。 二つ目は、グリンピース。 そして、三つ目は。 風丸「名前か名字、ちょっと走ってコンビニまで行ってこいよ今すぐな」 名前か名字「……」 爆発しろ電波共! 名前か名字「は?なんて?」 俺はいつのまにかめちゃくちゃ耳が悪くなっていたらしい。耳掃除してるかだと?嘗めてんのかぶっとばすぞコラ。 聞き返したら風丸の野郎はあからさまに「ちっ」と舌打ちをひとつ。 それからイケメン台無しのツラでおもっくそ睨み付けてきやがった。あれはダチに向ける顔じゃない。理科の実験で初めて蠢く微生物を見たときの顔だ。 風丸「コンビニ行ってこいっつったんだよ!使えないやつ!罰として死刑な!」 吹雪「ホントだよもう死ぬしかないよ!おつかれ!」 名前か名字「お前ら何言ってんの?いやマジで何言ってんの?っつかなんだよその軽いノリの会話に見合わない重たい宣告」 吹雪「えっ…さすがに日本語くらい理解しなよ」 名前か名字「お前ら日本語話してるつもりなのか?勘違いだから病院行ってこい」 吹雪はいつのまに現れたのか、なんて野暮なことは聞かない。なぜか。それは相手が吹雪だからだ。ぶっちゃけまともな会話になるとも思えない。 風丸「いいからコンビニ行ってこいよ^^」 名前か名字「……具体的に何が欲しいんだ」 風丸「精力剤」 吹雪「コンドーム」 名前か名字「普通にねえし。あっても恥ずかしくて買えねえよ。俺たちまだ中二」 吹雪「中学生なんて考えることはみんなピンク色だよ」 名前か名字「今すぐ全身全霊で全国の中学生に謝れ」 風丸「そうだぞ。ゴムなんて卑猥な……」 名前か名字「お前の方がタチわりぃんだよ!!」 どいつもこいつも頭ん中まっピンクすぎんだよなんだよ精力剤って。そうゆうのはお父さんにでも買ってあげなさい。 嘘だ。息子から精力剤なんて貰った日にはお父さん身投げしちまうからやめなさい絶対に。 風丸「とにかくコンビニだ。俺は猛烈に『う ![]() 名前か名字「結局精力剤関係ない上に顔に似合わないチョイスきました」 風丸「お前俺が『うんこの力』飲みたいって言うと思っただろ」 名前か名字「あながち間違いじゃないがなんでうこんは伏せ字にしてそっちはオープンなんだよ。やりきれねえよ」 吹雪「ヤりきれないなんて名前か名字くんってば不純!」 名前か名字「黙れ吹雪。染岡にいいつけるぞ」 吹雪「……」 風丸「コンビニ」 名前か名字「お前もいい加減しつこい。ってか自分で行けよ」 風丸「や、むり。俺さ、今日実は便秘なんだ」 名前か名字「だから?限りなくどうでもいい情報すぎるだろ」 吹雪「豪炎寺くんは興奮してたよ」 風丸「俺あいつ生理的になんかアウトだから」 名前か名字「俺と豪炎寺を同じように考えんな俺はノンケだ。あと風丸はもう少しオブラートに包めねえのか」 風丸「む・り!」 名前か名字「あ、そう」 まあ俺もあいつの風丸への愛情表現は理解不明だし、ぶっちゃけいたい奴としか思えないけどな! でも、こいつらよりはマシ。すっごくマシ。 豪炎寺「うこん売り切れてたんで代わりにオロ ![]() 風丸「お前の全額負担なら許してやんよ!」 豪炎寺「おk」 吹雪「ねえ、僕のは」 豪炎寺「買ってきたぞ」 吹雪「ちょっ、豪炎寺くんこれゴムじゃなくて女の子用のナプキry」 豪炎寺「ほら、名前か名字にも」 名前か名字「……」 おまっ、 これっ、 いやいやありえない中学生がこのセット買ってくるなんてありえない。つかなんでこいつこんな堂々としてんだよ頭から爆発して木っ端微塵になればいいのに。 俺にはこの世で嫌いなものが三つだけある。 一つ目は雷。二つ目はグリンピース。んで、三つ目は。 こいつらの、ただでさえ可哀想な頭をさらに悪くする電波です。 (とりあえず今日は豪炎寺フルシカトでいこう) |