風丸「で、痺れを切らした音無がヘタレ度MAXな名前か名字に告白したと」

音無「はい」

風丸「で、二人はめでたく恋人になれたと」

音無「はい!」

風丸「………名前か名字、」

名前か名字「……はい」

風丸「お前って本当どーしようもないうんこ野郎だな」

名前か名字「……返す言葉もございません」





そして
また日常へ!






そうです俺はどうしようもないうんこ野郎です。
結局、音無は俺の気持ちになんてぜーんぶ気づいてたわけだ。で、ずっと俺から言うのを待っててくれてたと。……今思い出しても恥ずかしい、二話前のあのテンション。羞恥でしねる。

とりあえず礼儀として、イナズマジャパンの他メンバーにも報告した。俺の隣で始終満面の笑顔の音無もかわいい。いろいろ残念なことも多かったが、今日から晴れて恋人の肩書きを手に入れたわけだ。

………やったぜ俺いままでよく頑張ったYAHOOOOOOOOOO!!!!!


……なんてな。これが手放しに喜んでもいられないのがイナズマジャパンだ。



鬼道「……」

名前か名字「いや、なんかほんとすいません」

鬼道「別に俺は春奈が幸せならそれで……っ」ぶわっ

名前か名字「ごめんな鬼道ありがとなちゃんと妹さん大事にするからな!!!」

鬼道「当たり前だ!!だいたい俺はお前をまだ認めたわけじゃないからな!!」ぶわわっ

名前か名字「………お義兄さんって呼んでみてもいいか?」

鬼道「」ぱりーん

名前か名字「ごめんな?!今のはマジで俺が悪かったから落ち着いてくださぃいいいいいっ!!!」

不動「誰かー鬼道くんのゴーグル割れたからスペア持ってこーい」


そうだ。つまりこれはこれから毎日鬼道に命を狙われる=死亡フラグってやつだ。まずいまずいまずい片想いの時よりずっと危険度が増すって普通に俺しんじゃうから。


風丸「音無、こんな自分から告白もできないアホタレなんかやめて俺にしとかないか?」

音無「へ?」

豪炎寺「何言ってるんだ風丸!彼女が欲しいなら俺が女装して……いや寧ろ風丸が俺の彼女にry」

風丸「今日の夜ご飯は玉ねぎのみじん切りにしよう。喜べ豪炎寺、お前が主菜だ」

豪炎寺「なんたる仕打ち」

名前か名字「いや今のはしょうがない。普通にきもかったからな?」

虎丸「なんなら俺が調理しますよ!!じっくりじっくり俺好みの味にします!!」

豪炎寺「貞操の危機を感じたので離脱します」

虎丸「豪炎寺さーん!大丈夫、絶対痛くないですから!!」

豪炎寺「何するつもりだお前」

吹雪「今日のメインディッシュは染岡くんの玉ねぎソースがけでいいと思います」

染岡「なに?お前人食う趣味とかあるわけ?」

吹雪「いやそういうのじゃなくて……もう!鈍い染岡くんも愛してるよぉおおおっ!!!」

立向居「俺も綱海さんを愛してますぅううううっ!!!」

名前か名字「いきなり出てくんなお前は!!どこから湧いて出た!!!」

立向居「……リア充にはわかりませんよ。『愛してます!』って言ったら『海ほどじゃないけど、俺もそれなりになー』って返された俺の気持ちなんて……!!」

吹雪「木霊でしょうか」

豪炎寺「いいえ立綱です」

名前か名字「うるせえよ。ってゆうか一応設定上はお前もリア充だからな」

音無「あはは、皆さん本当仲がいいですね!」


無邪気に音無が笑う。すげえまとめ方だなって苦笑がもれる反面……俺、いま幸せだなって、そう思った。
隣にはずっと想ってた音無がいて、周りには憎まれ口たたける(電波ばっかだけど)仲間がいて。
こうして皆といれる時間って、本当はすごくかけがえのないものなんだよな。

なんとなく、ふと唐突に思った。俺、こいつらとダチで本当に良かった。


風丸「なにニヤけてるんだよ。エロいことでも考えたのか?不潔!汚らわしいっ!」

名前か名字「ちげえよブッ殺すぞテメエ」



うん。やっぱ一時の気の迷いだったらしい。


名前か名字「違うからな春奈!俺そんなこと全く……」

音無「えっ」

名前か名字「あ?」

音無「へへ…春奈って初めて呼んでくれましたね!」

名前か名字「!!!」

豪炎寺「無自覚か」


し、しまったぁあああぁあ!!!
知らず知らずのうちに鬼道に感化されていたらしい。あろうことか、は、は、春奈って……!穴があったら入りたい

背後から鬼道のゴーグルがまたパリーンって割れる音がした。やばい、ビーム発射まで時間がねえぞ…もしくはペンギンが飛んでくる!


音無「なんだか照れちゃいますね」

名前か名字「わ、悪かった。つい……」

音無「何言ってるんですか!嬉しいんですよ、名前か名字さん!」

名前か名字「……本当か?」

音無「はい!……そうだ、じゃあ私からもっ」

名前か名字「は」



ちゅっ。
……………ちゅっ?



名前か名字「っ……な?!!」

音無「私、けっこう積極的なので覚悟しといてくださいね!」

名前か名字「覚悟って……」



顔が、熱い。
音無がキ……キスしてくれた頬が、俺の体の一部じゃないみたいだ。紅潮した顔はきっと情けない面を曝してるんだろう。
くすっと音無に笑われて、俺は苦笑を漏らさざるをえなかった。

敵わないなあ、本当に。
……好きだなあ。



円堂「よし!オチもついたことだし、みんな!!」

一同「おう!!」



円堂の魔法の言葉にみんな立ち上がった。また今日からいつもどおりの毎日が始まる。

きっと風丸や吹雪に振り回され、豪炎寺を慰め、鬼道から逃げ回り、立向居の暴走を抑えるような電波日和が続いていく。正直、とんでもなく疲れるけど。だけど。



円堂「サッカー、やろうぜ!!!!!」

一同「おぉ!!」

名前か名字「……おぉ!!」



こんな毎日がずっと続いてほしい。
そう思う俺も、結局こいつらと同類だったのかもしれない。





アバンチュール!
(冒険じみた恋愛劇はこれにて終幕!)






鬼道「……」

不動「おい、いつまで凹んでんだよ」

鬼道「……」

不動「聞いてんのかお前」

佐久間「待て不動、様子がおかしいとは思わないか?」

不動「ああ゛?」

鬼道「……」ちーん

佐久間「!!鬼道のやつ息してないぞ!!!」

不動「嘘だろ?!!ちょ…シャレになんねえよ!!よく妹一人にそんな、」

豪炎寺「シスコンを馬鹿にしてるのか?これだから妹を持たない憐れな一人っ子は……いや、独りっ子は」

不動「うるせえよ!!!つうか漢字変換やり直すのやめろウゼエ!!!」

佐久間「き、鬼道!!こんな所で死ぬな!!よし、俺が人工呼吸で……あっヨダレが」

不動「テメエは今日も通常運転だな!!ちょっとすっこんでろ!!」

豪炎寺「鬼道……音無のウエディングドレス姿、見たくないのか?きっとすごく綺麗だぞ」

鬼道「」ぴくっ

不動「動いた!でかしたぞ豪炎寺!!」

佐久間「この流れでいくとフィアンセは名前か名字か?」

鬼道「げふぁっ!!!」

不動「それトドメェエエエェエエッッ!!!」



fin.

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