「柚季・・・今日は共に帰らぬか?」

「えっ?無理。遠慮します」



こやつ・・・毎日、毎日
甘さの欠片もない
本当に我らは付き合っているというのか?


傍からは「あぁ・・・毛利君・・・今日もやってる・・・健気だな・・」なんていう声が上がっている
どうみても付き合っているようにはみえない

柚季はどれだけ我の心を傷めつければよいのだ


「長政様・・・今日・・雨が降ってるから・・・傘・・・一緒にはいらない?」

「い、市・・・し、仕方ない・・・入ってやる」

「・・・市・・嬉しい・・」


我の存在を無視してこやつらは我の隣でいちゃいちゃと・・・
気分が悪いわ・・

はぁ・・・ここ最近日輪の姿は拝めず、我の嫌いな雨ばかりだ・・・
だが、今日は珍しく午前中は晴れていた。
そして、今は土砂降り

ハハハ・・・もう良いわ・・・我は・・・ぐれてやる

手に持っていた傘を空を見上げながら力強く握った

ふと隣を見るとそこには眉を八の字に曲げて空を見上げている柚季がいた
手には傘を持ってはいなかった・・・


こやつ、傘を持ってきてなかったのだな


小雨なら走って帰れるものの今日は生憎、土砂降りだ。走って帰るわけにもいかないのだろう・・・


「柚季・・貴様・・・傘を忘れたのだな?」

はっとしたように柚季は我のほうを向き頬を少し赤らめた


「う、うるさいな!!だって朝は雨、降ってなかったし・・・」

「貴様は天気予報というものを知らないのか?戯け。」


これ以上反論できなくなったのか柚季は言葉をつまらせた


「・・・・て」

「何と申した?」

「〜っ!!だから!!傘に入れてって言ってんのよ!!この馬鹿!!」

「それが人に物を頼む態度か?」

少し下を向き柚季は両手に作った拳をギュッと握った

「入れてください・・・」

「・・・フン・・良かろう。入れ。」

何故か変な気分だ。
まさかこやつと共に帰れるなんて・・・

「元就・・・」

「何ぞ?」

「ありがと・・・・」

我は今、人生で一番驚いた・・・驚かないわけがない

顔を赤らめて普段では考えられないほど柚季はモジモジとしている

クッ・・・可愛すぎるではないか!!!

「き、貴様・・・もう一度、その言葉を言え。」

「い、嫌だ!!絶対に言うか!!」


すると柚季は顔を真っ赤にして我の持っていた傘を奪って雨の中を走っていった・・・

・・・・・ちょっと待て・・・この土砂降りの中、我はどうやって帰ればいい?

「やはり、こうなるのか・・・」


元就の心も土砂降りの涙が降りました







END


夢主・・・ひどいなwww


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