僕は恋をしている
しかも相手はいたって普通の女の子
不覚だった
この感情に感づいたとき、まさかこの僕が・・・と自分を何度も疑った
だが自分の思考とは裏腹に恋に落ちてしまったんだ
「竹中くん!!おはよ。」
朝の何気ない挨拶にだってドキッとしてしまう
たかが挨拶で・・・
満面の笑みを僕に向ける君は僕から見ればそれは他の子とは違って輝かしく、眩しく見えてしまう
「おはよう。柚季君」
この挨拶の交わし合いと同じクラスだということ、これが僕らの接点。
それ以外関わることは何もない
これ以上何も発展することもなく、僕の馬鹿馬鹿しい恋心は虚しく終わりを告げるのであろう
***
そろそろ卒業も近いということでクラス全員で遊びに行くことになった
比較的に仲の良いクラスなのだ
まだ遊びに行く場所は決まっていない
他愛もないこの戯れに僕は偽りの笑顔で「楽しみだ」なんてほざいている
そしてこの偽りの言葉のせいで僕が執行係を任命されてしまった
憂鬱の他に今の僕の感情が表せる言葉はない
しかし、どうやら僕は運がいいみたいだ
その執行係にはもう一人、僕が思いを馳せている柚季君だった
「竹中くん。みんなに良い思い出が残るように頑張ろうね!」
「あぁ。そうだね」
これで僕らの会話は途絶えると思っていた
「竹中くん。メルアド教えてくれない?」
「え?」
僕は必要以上に驚いた
「お互いの案を思いついたらすぐに連絡をとれるようにと思ったんだけど・・・ダメならいいよ!」
「ダメなんかじゃない。もちろん良いよ」
動揺していることがばれないように僕はしゃべった
「登録完了!!じゃあいい案が出たらメールしてね。私も思いついたらするから」
出会いの春に近づくこの季節に僕は君との関わりが増えた
嬉しい・・・・
関わりが増えたことに僕は感銘を受けた
この恋心も卒業しないように慎重に、慎重に関係が深まっていきたい・・・
今の僕が思うことはそれだった
春よ、恋い
END
卒業・・・したくないなぁ・・・なんて思いながら書いたものです
半兵衛には初々しい恋心を持ってほしいものです