「えー。これから各部活動の表彰に移ります。 名前の呼ばれた生徒は壇上へ上がってください」 夏休み明けから暫くたった全校集会で俺達の二度目の夏が終わった事がより一層感じられる。 どの試合も手を抜くことなく自分達の全力でやった。 だからどの結果も悔しさと達成感でごちゃごちゃの、複雑な感情の波が襲ってくる。 俺達バスケ部の表彰は先週の他の部活の壮行会の時にされたから、今は別の部活の表彰される姿をじっと見つめる。 「続きましてバレー部。 東日本大会優勝、全国大会ベスト4 神奈川県代表海常高校バレーボール部。 2年 加賀茉利、『はい!』五十嵐佳寿美、『はい!』・・・ 1年 小暮奈緒、『はい!』柴田美鶴、『はい!』・・・」 女子なのにスポーツの種目柄俺に負けず劣らずの身長の部員が写真部や吹奏楽部と一緒に壇上に並んでいる姿は、人によっては兄弟姉妹のように見えてちょっと面白く思えてしまった。 去年から同じクラスの騒がしさがなければそれなりに人気が更に出るだろう加賀が主将を務めているのには驚いた。 女子は未だに苦手だが、あいつは女子とは考えていないのでいたって普通に会話が出来る。 何かと森山辺りと絡んでくるので面倒事は倍増されたが。 その加賀との会話はもっぱら今年に出来た後輩のことで、向こうは随分スペックが高い後輩がいる様で、加賀の暴走を抑える係に認定されているみたいだ。 俺の後輩で選手として優秀なのは居るが、そこまでスペックは高くない。 しいて言うならラ行が発音できない奴、とかな。 加賀以外の女子でまともに会話が出来るのは小暮ぐらいだろうか。 ストッパーの役割を押し付けられたところには同情を禁じえないが。 < そこにうつるきみのよこがお > tittle by はこ |