美鶴の家でのお泊りもてんやわんやしながらも終わり、今日も朝早くに家を出て自主練に精を出す。

ドンッ バシッバン バシッバン バシッバン 

 キュッキュッキュッキュッキュ・・・ バシッ ドン!!

ドンッ バシッバン バシッバン バシッバン 

 キュッキュッキュッキュッキュ・・・ バシッ ドン!!

春休みが明けたらまた後輩が出来て先輩になるのかぁとぼんやりと思う。
サーブ練は誰よりも時間をかけてきたのでかなりの自信がある。この練習は中学時代も後輩が練習に来る前の時間から続けているので、最初はかなり戸惑わせてしまうことだろう。

「ふぁ〜」

休日の朝練は基本的に自主練扱いなのでここまで早く来る人も居ない。
だから稀に睡魔の波がやって来るタイミングで休息を入れる。もう後数分もすればバスケ部さんが使っている体育館から笠松先輩がドリブルやシュート練をする音が聞こえてくるのだろう。
今日の睡魔は気を抜いたら簡単に意識を持っていかれそうでまずいなと思ったのもつかの間。東側のドア近くで休んでいたのでいい具合に日光が当たり、うっかり寝てしまった。



   ●   ●   ●



「だーかーらー違うって言ってんでしょ!」

「加賀の言うことは洒落になんねぇんだよっ!!」

「えー、っとあれ?珍しくなっちゃんまだ来てないのかしら」

「俺らでも相当来る時間早いのに小暮はもっと早くに来てんのかよ」

「そうよー!!お陰で準備に掛かる時間とか短縮されるから助かってるの!!」

「何でそこでお前が威張るんだよ」

自分の事の様に胸を張って言う加賀に呆れつつ、よく体調を崩さずにやってるなと感心する。

「いつもだったらこの辺まで来たらボールの音が聞こえてくるんだけどなー」

口調は若干軽いままだがちゃんと後輩の心配はしているらしい。
確かに毎日欠かさず音が聞こえるのに急に聞こえてこないと不安にはなるか。

バレー部がいつも使っている体育館内を加賀と一緒に覗くとモップは端に置いてあるし、ネットの用意も出来ている。ボールを入れてあるやつも出ているが肝心の小暮が見当たらない。

加賀と中に入り辺りを見渡しているとほぼ同時に小暮を見つけた。
入り口から見て右奥のドアの近くに壁にもたれかかる様にして寝ていた。朝の日差しに当たってそれなりに温かそうではあるが風邪を引くのではないかという考えが過ぎった。

「あらー珍しい、なっちゃん寝ちゃったのか。まぁ、いいわ」

笠松、と呼んだかと思ったら自分が着替えてくるまで見張りよろしく!とマイペースにバレー部の部室に早足で向かって行った。
俺はジャージで来たため多少の余裕はある。
流石に何も掛けていないのはどうかと思うから加賀が戻ってきたら部室にあるジャージの上着の予備でも掛けてやる事にする。






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