今日は美鶴から頼まれたお泊り初日だからか珍しくいつもより早く起きてしまった。
久し振りのお泊りだからちょっとテンションが上がっているのかと苦笑を漏らす。
近い内に春休みの寮点検で妹も帰ってくるし、どこかそわそわしている自分が可笑しく思えてしょうがない。

日課の朝のロードワークの為に起きる時間よりも早く起きてしまったが、二度寝するには時間が足りないのでこのまま起きる。
支度を済ませ居間に下り、果物と野菜ジュースを軽く食べてからまだ少し薄暗い街中を走り出した。
この朝独特の澄んだ空気を大きく吸い込んでは大きく吐き出す。いつもすれ違う柴犬のマス君と飼い主のおじいさんには、普段より20分も早いので出会わなかったが、その代わりの様に綺麗な三毛猫とすれ違ったので、ちょっと癒された。

いつもよりペースは落としたものの、長距離を走ったせいかお腹の空き具合が半端じゃない。

「お母さんただいまー」

「お帰りー奈緒。朝ごはんはもうちょっと待っててね、まさかいつもより早起きだ何て思わなかったからまだできてないの」

「んー」

今日は和食らしく、お味噌汁のいい匂いがする。とりあえず、とお母さんに渡されたバナナを齧る。
数分後できた朝ごはんをしっかりと食べ、美鶴の家に三日ほど泊まりに行くことを母が覚えているか怪しい為、もう一度伝えていつもより多い荷物を背負って家を出る。



「おはよー奈緒。今日から三日間よっしく!!そんでもって部活もガンバローねー」

「おはよう、美鶴。うん頑張ろうね、それからお邪魔します。
 美鶴の家にお泊りに行くの中学二年振りかな?実はちょっと楽しみだったみたいで今日は早起きしちゃった」

と照れながら笑って言うと、美鶴も笑って私もーと返してきた。
何だかお互いに可笑しくなってきて部室に着くまで笑いが止まらなかった。



半日の練習が終わり、美鶴の家に向かう。

お昼ご飯は家に残っていたパスタ麺を使って簡単にナポリタンとコンソメスープを手分けして作って済ませた。
その後にまだまだ気温が低いといっても、お互い部活でかなり汗を掻いたので一旦汗を流してからご飯のメニューを考えたり春休みの課題を消化することにした。





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