きみの世界の24つ




「昨日ね、Shoutterのタイムラインで『いろんなキャラに24枚撮りのカメラ渡して、“このカメラにおさめたもの以外は君の世界から消えちゃうんだよ”
って言ったときに何を撮るのか知りたい。どうしても自分の世界から消したくない24の存在。』っていうのがあったの」

お互い部活の帰り道。
珍しく時間が合ったので一緒に帰っている最中に、何となく思い出した事を聞きたくなった。

「急にどうしたのだよ」

「特に意味は無いんだけどさ、もし、真太郎なら何を写すのかなぁって。思っただけだよ。三次元の私たちもきっと凄い個性が出るかな、って」

「・・・。お前は、透はどうなのだよ。」

こういうものは自分の考えを、答えを先に言うものだろうと目が語っているのが分かった。
無駄話に付き合ってくれる不器用な幼馴染に苦笑しつつ、ご希望に応えてみた。

「私はね、多分。今の部活の顧問を含む皆と部活の格好でラケットとシャトルを持った姿で集合写真を撮るでしょ?
それから、今まで使ってきたラケットを纏めて撮って。コート、家族、よく遊びに行った公園に、仲の良い友達。
美味しいと思った食べ物の内飽きないご飯を7種類?くらいかな。ここまでで13。」

表情を伺ってみれば、続きを促すように目が催促をする。
本当にこの幼馴染は聞き上手だと改めて思う。

「後は何が大切なのかな?昨日も今日一日もずっと。ずーっと考えてみたんだけど、分からないのよね。」

「私としては後の11枚の内、最後の最後の24枚目は真太郎を単体で写すのかなって。何回考えてもこの結論に行き着くんだわ」

不思議だよねぇーって笑いかけると案の定少し照れているのが何となく分かった。

「残った11枚の内1枚は真太郎を撮るけど、残った10枚は服とかに費やせばいいのかな?」

段々考え過ぎて頭が痛くなってきた。むむぅ。
さっきまで聞きに徹していた真太郎が口を開いた。

「全く、何から何まで透らしいものばかりが出てくるな。だが、」

そうだな、と前置きをして爆弾を落としてきた。

「俺も多分お前と同じだ。バスケットに関するもので1/3は少なくとも占めるだろうし、
24枚目。最後だな、最後はお前が楽しそうにしている姿を撮ると思うのだよ。」

「俺も24枚全て使い切るには何を撮ればいいのか正直分からないのだよ。
でも、いつまでに撮らなければならないと言う指定は無いのだよ。
まだまだ高校一年の俺達には早過ぎるのだよ。」

だから、透もゆっくり探していけばいい。だなんて


私の世界の内の一角を占めるきみの言うことだもの。

私も人事を尽くすって事で、信じてみようか。





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