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そして、色々話し合った結果。
中庭にずっと居ても仕方がないので、ゆりかちゃんが友達に手伝いを頼んだということでバスケ部さんに保護?してもらう形となった。
さっき宮地さんからもらった野菜の食べっぷりのよさを木村さんに熱弁された時はかなり恥ずかしかった。
大坪さんと木村さん、そして顧問の中谷監督にも事情は伝えられ、拍子抜けするくらいあっさりと納得してもらえ、苦労してるなと頭を撫でられた。
洗濯をしたり、洗濯機を動かしている間にドリンク作りのお手伝い。
裏方作業は今までの経験から慣れた手つきで作業していると、ゆりかちゃんがやってきて
「おっ作業本当に早いのね。今から皆で試合をするんだけど良かったら観戦しない?」
「えっ、でもまだ洗濯物干してないし・・・。掃除だって」
「いいからダイジョーブっ、おいで!!」
ドリンクの入った籠をさりげなく持ってくれ、ドアを開けるために一緒に来てくれ何て言われたら断れない。
恐る恐る踏み入れた見慣れている筈の体育館がどこか違った場所に見えた。
世界が違うといっても部員全員の集中力の高さは変わらないようで、いつも中谷監督が座っているベンチに座らせてもらって観戦することになった。
試合はミニゲームでチームの組み合わせを変えつつ行っている様だった。
一時間半ほどの時間がこの世界に来て流れただろうか。
また急に睡魔の波が押し寄せてきて、寝てはいけないと思い思いっ切り手を抓ったりしていたが目蓋は重く、睡魔に負けて目を閉じてしまった。
せっかく試合を観るせてもらったのに・・・・・・。
★ ★ ★
ピピ―――ッ!!
「ったくもー、マジで宮地さん容赦ねー。あそこであの動きとか考えらんねーよ・・・」
「経験の差はやはり大きいのだよ・・・」
長いことハードな試合をミニゲームとはいえしていたからか二人とも大きく息を乱している。
「ありゃ、透ちゃんは?」
「そういやいねーな。今さっきまでそこで観戦してたのにな」
「緑間、あーイトコの方のな。一旦裏方に行ったかもしれないから見てきてくれよ」
「はーい。分かりましたー」
「お前、俺が頼んだ時と木村が頼んだ時の態度。随分違うじゃねーか」
「あはは、気のせいですよー(棒読み)」
とりあえず一旦休憩時間とにして事情を知る者達だけで捜索はしたが見つからなかった。
そこで大坪がさっきまで透が座っていたベンチに近寄ると、"Time Up"と書かれた木片がベンチの脚の影に落ちているのを発見した。
大坪はふっと笑い
「なんだ、良かったな皆。因幡さんは無事に帰れたみたいだぞ」
と言って木片を抓みプラプラと振って見せた。
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