可哀想なきみはただ淋しいだけ
ちがうリズムで脈打つ心臓がぼくたちの生きる時間が重ならないことを教えてくれる
きみとなら永遠だってあるって思えた

いのちの速度
ぼくの弱さのしるし
泣けないならとなりにおいで宇宙の話をしてあげる
星が孤独に耐えかねてブラックホールになるんだよ

今日はどのお話にする?
大地に還ったともだちのはなし
海を捨てたあの子のはなし
まぼろしを追ったおんなのはなし
まぼろしになったおんなのはなし
おんなにやさしいおとこのはなし
あまりに弱いおとこのはなし

いつかわたしの海を見せてあげるからね
ちゃんと終わる日
右手をのばせばさわれてたてのひら
わたしだったものたちの反乱
さよならはするりとわたしをおいて行った

あなたがしゃがんでくれなくちゃ目もあわせられない
だまされるばかのふり
こどもらしいかわいらしい嘘でした
そうやって目を伏せて、だまされてくれるあなたがいやだ
ばかばっかり
忘れてもいい人
知らないなんてずるいや
よわたり上手

いつかも泣かなかったわたしは今日もくちびるを噛んでいる
ぜんぶこの心臓がおぼえてる

まぼろしがわたしの全部になる日
しゃべりたがりの黒目
約束やぶらない約束
ぼくならきみをさらって行けるんだぞ

死んじゃうふしぎ

わたしが今おだやかに息をしていることがいったいどれだけのいのちのおかげなのかすぐ忘れてしまうんだよ
立つこともままならないきみがずいぶん色めいたことを言うんだね
あの日追いかけた背中がほんとうに小さくなってしまったいま

あなたが振り向いてくれないならこの涙に意味はない
さいしょから泣いてなんかなかったけど心がずっと痛かった
わたしはいったい誰のかわり?
捨てたの捨てられたの
あの時きみが泣いた意味が百年たってもわからない
なぐさめてなんかやるかばか
口とお尻が軽いのね

きみのその底無しのずるさがいやだ
ぼくのこの底無しの弱さがいやだ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -