心のそとに出てはだめ
かなしみに浸かっていないと生きられない
あなたはやいば
さくなさくらさくな/咲いて散らない花はなかろうよ
かくれみの
きみの目をみて嘘を吐くのは存外むずかしい

ぼくをゆっくりころす孤独をなんできみが欲しがる
てのひらであがく不安/たなごころにて静かに息をとめる友愛
きみの頬になにを見ようとぼくの勝手だろう

たばかる
泣いた独裁
ぼくは死に場がほしい
やさしいだけのおふざけ
あのひとの海を見てはいけない
お慕いしたい肢体
どうせならおなじ血に生まれたかった

泣けやしないのに
耳をふさいで歩む迷路
三途の夢/夢枕
幻肢
この名を捨てたい
おなかのなかは真っ暗

日の沈まない国/日の出づる処から/日の落つる処へ/日没
ききとうない
薄すぎる皮膚を通りぬけるやさしさ
じぶんが寂しいときだけきみは優しくなるね

やわらかく笑んでから泣く
ぼくの依存をすりぬけてくきみが憎い
かなしい尊厳
めそりめそりと嘘をつく
静かにぼくを苛む過去は瞼のうらから去ってはくれない

あてどもない寂莫を抱けるのかい
あなたの面影はたしかにこの手をひきよせる
海底でひざを抱くぼくに水面はまだ遠い
波打つ永遠
みんながみんなきみみたいにうまく泣けるわけじゃない

夜が首筋を滑り落ちる
きみの影になれたらいいのに
不断の約束
暮れなずむ
あのひとにはしあわせがみえてる

きみはそう賢くもないね
どうやったって抱けない明日をまだ疑わないきみは哀れだ
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