繰り返しても同じだよ
わからないひとだ
さよならは少しはきみを弱らせたかい
海を臨む索漠
傾国の名前
きっと守るから

心臓に溜めた不安がいつかかならず凶器になる
残存する光跡
記憶の縁に流線を遺す人
そうだ脆弱を抱きしめて微笑んでほしい
涙の時間には深海の暗闇がきみの肺をみたす

思慕をかさねてなんになる
声はかすれてなんかない思いが薄れてるからそう聞こえるだけ
薄い膜のむこうでふれあうあなたすら掴めない
実像なんて要らない、記憶に映る面影があるなら

亡くせない夜明けの遺言
あなたを繋ぎ留めるいとなみはあたたかい頬の血潮をころしてく
あなたを抱きしめる腕がもうだるくてしかたないんです
ゆらり微笑みに滲む

後悔に生きるあなたは遠く夕日に溶け込み消えてゆく
その先に死が待っていてくれるからあてどない生を歩んでいける
悲しみも怒りもひとつの証明

ずいぶん久しいね
名誉だった
死生観の共有
目を伏せた、いつの間にか枯れた

傍観は罪でしたか
立ち尽くす一昼夜
この感情も土と成るのだ
白い消滅へ続く運命線を息が死ぬまで走ってみせる

ごめんねついては行けないの
こころを固めて結晶にできたらすべてあなたにあげただろうに
崩れて融けておしまい
すがれない嘘をつくあなたはひどい

このこころの心臓に沿う部分を立ち去るあなたへのおくりものにしよう



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傾国/一国を傾けるほどの美人
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