うまく大人になったね
うつくしくて繊細な壊れもの
噛んでごらん
臨界不明の忘却を走る
おさない貴婦人の不満
友愛は食べちゃった、あるのは情欲だけ
宵のたましい
不可逆の運命をなぞる
送り火
きみの命脈をたからものにするね
明日の心音を追いかけて
まじないを贈る
いっそ目を瞑ってずっとひとりならさみしくない
過去の引力
出口のない腕のなか
一等星と燃ゆる君へ
消えてよ時間
不滅の有限をつむぐ
融哀
折れてもいいよ泣いてもいいよ
きみの心臓、千回ぶんの拍動を予約
霧立つ朝
宇宙がはがれてゆく
きみの孤独とぼくの孤独、つなげてひとつの孤独にしよう
シナリオを探すのはやめにして、僕と夜の迷路を走りませんか
抱きしめて深青
くすくすわらいのこもりうた
お母さんみたい
優しさは満点、誠実さは零点
寝室を曖昧な沈黙に浸して今日も安らかに眠るのです
君の鼓動を繋いでみれば未来が微笑む音がする
幸福の感触
稚拙な永遠の花束
この感情をちぎって食べて今日と云う日を過ぎてゆく
脈音の共鳴
天国のパノラマ
冷えた真っ白のシーツが今はどうしてもかなしい
浮上の錯覚
そらぞらしいまばたき
薄く柔らかな雨の匂いだけがぼくにやさしい
まぼろしを抱くほど幼いつもりはありません
融解の速度で君の肌へ沈む