慟哭(食満)



いつか死ぬのならお前の膝で眠るように死ぬのがいい。痛みも苦しみも幻のようになって、お前の気配だけ覚えて往くのがいい。



 いつか死ぬのならお前の目の届かぬ場所で足掻きながら死ぬのがいい。必ずお前に辿り着くからと、死出の恐怖など忘れていられる。



 いつか死ぬのならお前と2人同じ場所で死ぬのがいい。最後の最後まで互いの瞳を覗きこみ、お前に俺を俺にお前を刻めば寂しくなどないだろう。





 寂しかったろう、怖かったろう、苦しかったろう。



 二度と温まらない肌に口づけて食満はほろほろと泣いた。
 お前が逝ってしまったら、俺はどうして死ねば良いのだ。