━━最悪だ。

酒の調達に、と、セブンに誘われてアンバーは街まで出て来た。

だがどうやら、セブンの本当の目的は酒屋ではないらしい。日中とは言え、周囲の雰囲気が徐々に妖しくなって行く。

「おい、セブン。俺は戻るぞ。」

彼は、酒場でなくとも賭博ならばまだ我慢して付き合うつもりで暫く一緒に歩いていた。しかし、行き先が色町とあってはそうはいかない。

「何でだよ?ここまで来といて、そりゃねえだろ。」

ふと、セブンは歩調を緩めるとアンバーを振り返った。

「なあ、アンバー。ずっと気になってたんだけどよ。もしかして、お前って…。」

妙な沈黙が流れる。

アンバーは解せない表情で、問い返す。

「何だ。」

「女じゃなくて、男の方がいいのか?」

「いや。俺は同性愛者ではないが。」

その即答に、セブンは安堵の溜息を漏らした。

「だったらいいじゃねえか、付き合えって。」

「いい加減にしてくれ。」

絡んで来るセブンをアンバーが振り払おうとした、その時。

「おお!セブンじゃねえかよ。」

一人の男が、手を振りながら近付いて来た。どうやら顔見知りの女衒らしい。

「よう。」

「これまた、すげえ久し振りだな。」

その男はセブンの肩を軽く叩く。

「今日、いい娘いる?」

アンバーは横目で彼等を見ながら、その会話を聞いていた。

「ああ。こないだ、新しいのが入ったよ。」

「へえ。若い娘?」

「まあ…、若いな。しかも元々は貴族かなんかだったらしいぜ。それでよ、」

女衒はセブンに耳元に口を寄せる。

「何でもアリ、なんだ。」

「何それ?」

「だから、本番でも何でもアリなんだよ。子袋が、ないらしいからね。」



女衒の言葉を耳にしたアンバーは、食い付く様な視線を向けた。

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