溶け気味
そして、夏休み。
それにしてもどうにかならないものだろうか、この日差し。
とてもじゃないけど夕方になるまで買い物に行く気になんてなれないよ。
梅雨が明けてからあたしは彼とは会っていない。
何度も何度も何度もメールをしようと思ったけれど、出来ずに日々は過ぎてゆく。
それでも何だか余裕かましてられるのは、あの言葉があるから。
『瑠乃と付き合う気はない』
恐らく瑠乃だけではなく、あたしも恋愛対象になんてなってはいないだろう。
分かってる。
積極的な瑠乃も消極的なあたしも、未だ同じスタートラインにいる。
いや、スタートラインにすら立てていないかもね。
あたし、何でこんなに好きなんだろう。
確信しているのは
張り合っている訳でも、
単に見た目だけでも、
ないって事。
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