小話置き場 | ナノ



▽レイ撫(CZ)


「鷹斗、あなたに興味津々だったわね、レイン」
「いやー、危うく解剖されちゃうところでしたよー」
「でも、鷹斗にもこうやって話してあげればよかったのに。きっと喜んだと思うわ」
「ボクはキミだけのウサギさんですからー」
「え?」
「いやいやー。マジメな話、ボクって割と超ハイスペックなんですよー。鷹斗君の元に渡ったら、きっと二度とここに帰ってこられなくなりますー」
「そ、そうなの。…見た目は普通のキーホルダーだけど…でも、こうして話しかけたことに反応してくれるなんて、やっぱりすごいわよね。ねえレイン、あなたってもしかして、すっごくお高かったりする?」
「どうなんでしょうー。そもそも売り物じゃないですからねーボク」
「そうなの?非売品ならなおのこと貴重じゃないかしら。どうしよう、神賀先生に何かお礼をした方がいい気がしてきたわ」
「まあ好意であげたわけですから、気にしなくていいと思いますよー」
「でも……」
「……ねえ、撫子君」
「なに?」
「君は今、ボクとおしゃべりしてて楽しいですか?」
「ええ、もちろんよ」
「それならよかった。神賀先生があげたもので君が楽しい気持ちになれたのなら、それがお礼の代わりです」
「……神賀先生なら、本当にそう言いそうだわ」
「そういうわけですのでー、これからもボクを大切にしていただければ幸いですー」
「ええ。私、レインと話すのがとても好きよ」
「それはそれはー、ありがとうございますー」


(君といられる今が幸せ)

────
ついったお題より