小説 | ナノ



やっほー、みんな。

元気にしてるかな?


俺はみんなのアイドル、千石清純だよーん。

え、アイドルじゃないって?


またまたぁ、そんなこと言っちゃって。


今日はね、みんなに相談があるんだよ。

もう少しでクリスマスだし、俺には今、大好きな子がいるんだけどね?

なんか、近づけないんだよ。


名前はね、苗字名前チャン。

かわいい名前でしょう?

あ、もうとりあえず告白してみろって?

わかった、行ってくるよ!!


「ねぇねぇ、俺は千石清純。君のことが好きなんだ。付き合ってくれないかな?」

『え、』

「クリスマス一緒に過ごしたいんだけど」

お願いだよぉぉぉぉ!!!!

「お試し期間でもいいから」

『む、無理です!!』


がびーん、清純くんショック。

『ねぇ清純、今年のクリスマスは誰と過ごすの?あやと過ごそうよ』

「えー、ダメだよ。俺は好きな子と過ごすから」

『えー誰?』


目の前を通った名前チャンを捕まえる。

「この子」

『なんでその子!?冗談でしょ』


『やめて!!誰とでもいいんでしょ』

「ねぇ君たち、もう俺と話さないで。メアドも消すし、遊ばない」

『え、嘘でしょ?』

『あの…』


「女の子全部切ったら俺のこと信じてくれる?」

『女の子の気持ちはどうするの?』

「俺の好きな子は名前チャンだよ。俺は名前チャンだけを知りたいし、名前チャンに俺を知ってもらいたい。だから一回デートしよーよ。明日の10時、駅前の噴水で待ってるからね」


一方的だったけど約束したよ!!

俺頑張ったよね!?

9時30分ぐらいから待ってるとかわいい女の子が通るけど我慢、我慢。


それに1番かわいい女の子は名前チャンだもんね。

「あ、名前チャンみーっけ」

『あ、あのッ…』

「うん、私服のほうがかわいい。俺、君の私服が見れて嬉しいよ」

『あ、ありがと…ございます』


「怖がらないで、嫌なことはしないから。俺は君と話したり一緒にいたいだけなんだからさ、ダメ…?」

『ダメじゃ…なぃ…です』

「よかった」


あ、少し笑ってくれた。

すごくかわいい!!


俺のオススメのとこに行って、雑誌で調べた人気の場合も行って俺的には完璧なんだけど。

ぷるぷると電話がなる。

『で…ないの?』

「いいんだよ。今は名前チャンといるんだし。どうせクラスの人達が開くシングルクリスマスの誘いだから」


名前チャンの表情が曇っていく。

「携帯…見る?」


『いいのッ!!あたしが帰るから、千石くんはそっちに行って』

走り出した名前チャンの後を全力で追う。

「俺は君が好きだよ!!」


『でも!!あたしは信じれてないからッ』

「信じてもらえないなら、この携帯はいらない」


たくさんの女の子のメアドが入った携帯を逆パカにする。

『そんな…』

「これで信じてくれる?」

『ッ、』


「俺は君が、名前チャンが好きだよ」

『あたしも…好きッ…!!』


涙を浮かべた名前チャンを抱きしめる。



ありがとう神様。



最高のクリスマスだよ。
ほんとに俺ってラッキー。
あ、でも…。
携帯を逆パカしたのは勿体なかったかもしれない…。