小説 | ナノ



昼休みは志杞とRメンバーで屋上で過ごす。

精「名前、今日は俺の隣においで」


「せーちゃん、どうしたの?」

精「何となくだよ」

あたしの右隣は決まってる。


いつも蓮二。

左は志杞とかせーちゃんとかまさが多いかもしれないなぁー。

蓮「名前頬についている」


「えっどこどこ。取れた?」

雅「まだついとるぜよ。ほらこっち向け」

「まさありがと」


こうやってみんなといる日常がとっても楽しくて気を使わなくていいから楽だった。

ほんとはみんなの部活を近くで見たいけど他の女の子たちがうるさいから。

あたしは教室でいつも見てる。


蓮二を待つために。

部活はもう終わった。

園芸部。


せーちゃんと仲良くなってから花に興味を持って入った。

あんまり動かなくていいから蓮二の許可もすぐに下りた。

でも暇だから花壇へ向かう。

「ねぇ、お花さん。…苦しいよ…」


花は可憐に咲いているだけで当たり前だけれど返してくれない。

精「名前何してるの?」

「せーちゃん!?せーちゃんこそどーしたの?」

精「俺はそこにあるボールを取りに来たんだ」


そう言ってせーちゃんはあたしの足元を指差した。

見下ろして見ると黄色いテニスボールが1つ。


「あッごめんッ!!気づかなかった」

精「かまわないよ。名前、隣いいかい?」

「うん。せーちゃん部活はいいの?」

精「もうすぐ休憩だからいいんだよ」


そう言ってせーちゃんはあたしの隣に座った。

せーちゃんの外見に似合わないゴツゴツした手であたしの頭を撫でてくれた。

精「名前どうかした?ちょっと暗い顔してる」


「そう…かな?」

精「悩みがあるなら俺に相談して。俺が名前の力になってあげる」

「せーちゃんは優しいね」

精「当たり前。名前フフ変な顔」

せーちゃんはそう言ってあたしのほっぺをつまんでくる。


「せーひゃんがしてりゅんでひょ」

精「名前は笑ってるのがかわいいよ。笑ってて」

「///うわぁーせーちゃんにかわいいとか言われちゃった。照れるじゃん」

精「名前にならいくらでも」


少し心が晴れた気がした。

せーちゃんありがと。


蓮「精市、ここにいたのか。弦一郎が探していた」

精「わかった。ありがとう」

せーちゃんと入れ代わりで蓮二が来た。


蓮「名前、花に水をやっていたのか?」

「うん。それと花見てた」


蓮「フッ本当に名前は花が好きだな」

「そーだよ。蓮二も部活はいいの?」

蓮「今休憩になった。それで名前が見えたから来てみた」


「蓮二どーかした?眉間にシワがよってる」

蓮「なんでもない」


蓮二がなんでもないっていうときほど何かあるんだよ…。

蓮二の視線の先には櫻井さん…。

男の子と楽しそうに話してる。

「ねぇ…蓮二は幸せ?」

蓮「…」


「蓮二?」

蓮「なにか言ったか?」

「ううん…。なんでもない…」


もう…覚悟を決めなきゃ…。

蓮「もうすぐで部活も終わる。後少し待っていろ」

大きな手で頭を撫でてくれる。

この大きくてゴツゴツした手が大好きなのにもうすぐ離れていってしまうと思ったら苦しくて涙が出そうだった。

辛いんだよ…。

蓮二…気がついてよ!!


この胸の痛みはどうしたらなくなるの?



ねぇ、お花さん教えてよ。



ジクジクと痛んで苦しくてしょうがない。
無くなる方法なんてあたしは知らない。