「海馬はさ、そんなに身長あるのにどうしてゲームばっかやってるの」

唐突な名前の言葉に俺は仕事の手を止め奴の顔を見た。何やらニタニタしていて不快極まりない上、続く言葉も愚かそのものだった。

「普通に考えてさ、身長が186センチもあるのにカードゲームに夢中とか勿体ないじゃん」

「勿体ない…?」


何が勿体ないというのか。俺がカードに全身全霊を懸けて全速前進している姿を名前は目の当たりにしているというのに。やはりこいつは馬鹿なのか…?


「バレーとかバスケとか…他にも色々背があると有利なスポーツたくさんあるんだよ?なんで海馬はカードがいいの?」


指を折って考えながら話すこいつはやはり馬鹿だ。


「ふぅん…口で言って理解出来る人間にならば説明してやるのだがな。貴様にはそのような知能は備わっていないだろう、来い」

「失礼極まりないな海馬。…ってこら、襟を掴むな襟を。自分で歩けるからごめん本当にごめん苦しっ…」


しばらく無視していたら名前はオちた。





「ハッ!」
「気が付いたか」

「か、海馬…!気が付いたかじゃないよ私はアンタのせいで死にかけたんだからね!」

「そんな些末なことはさておき…これを見ろ」

「人の命を些末とか言うな!…バスケットボール?」


手に持ったものを見て状況を把握したのか、目を丸くする名前。


「やっと部屋に引き籠もってカードに熱中する根暗からバスケットという爽やかなスポーツに打ち込む少年に生まれ変わろうと思ったのね海馬ボーイは!」

「…見ていろ」


全く失礼極まりない奴だ。
俺はキラキラした目でこちらを見る名前を尻目に、ボールを前方にあるゴールへ放る。ボールは綺麗な弧を描き吸い込まれるようにゴールを通ったのだった。


「か、海馬ボーイすごいデース!」

「ペガサスはやめんか!」

「そしてやっぱり海馬ボーイはスポーツをすべきデース!」

「人の話を聞け!」

「…あ、はい」

「…?なんだその手は」


突如落ち着いた様子を見せた奴の行動…手を頭より少し高めに挙げたそれの意味が分からない。俺にどうしろと言うのだ!


「何ってハイタッチに決まってるじゃん、スポーツには付き物だよ?」

「っ、だから俺はスポーツなどしない!」





ハイタッチ
(その場にぱしんという乾いた音が響いた)



















―――――
もうやだちょっと社長分からん!ただ思うのは、初期の海馬を思うと明るくなったなあという母性にも似た感情だったり何だったり…。
要するにスポーツをやれば海馬も爽やか路線でモテたかもしれないねって話です^^



100217




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -