あの子はとても素敵な子だと思う。いつもいつも頑張っていて、見ていて思わず頬が緩んでしまうくらいに可愛い。
そんな僕の想い人、名前ちゃんと図書室で二人きりの書庫整理は好機であり危機でもある。好きな子と二人って嬉しいけど、緊張しすぎて変なことを言っちゃわないか心配だ。


「雷蔵くん、どうしたの?手が止まってるよー」

「あ、ご、ごめん!」

「謝らなくてもいいのに」


そう言って抱えた本を片手で持ち直し手の甲で口元を隠す名前ちゃんはとても可愛い。鈴が鳴ってるみたいな声もその笑顔も、男だったら僕だけが知ってるものだったらいいのにな。


「よっ、と…あ、雷蔵くん!」

「ひえっ!?な、ど、どうかした?」

「え?この本ちょっと上の方だから雷蔵くんにお願いしたいなって思って…」

「わわ分かったっ…」


大丈夫だったかな、口はニヤけてなかったかな、名前ちゃんは…駄目だ少し不審気にこっち見てる。早く本をしまっちゃおう。
名前ちゃんに差し出されていたそれを受け取り、素早くその本のあるべき位置に入れる。慌てすぎて逆におかしい、とか、ない、よね…?もし理由を聞かれても名前ちゃんの声とか笑顔が可愛くて見惚れてました、なんて言い訳は出来ないよ…。


「雷蔵くん、ありがとね」

「ぅえ…?」


名前ちゃんの優しい声のあとに頭に感じる暖かいもの。それは紛うことない名前ちゃんの手で、僕は名前ちゃんに頭を撫でられていて、え、ちょ、えええ…!


「雷蔵くん疲れてるんじゃないかな。残りは私がやるから帰っていいよ」

「そ、んなことないよ!僕やるから…!」

「いいの、かな?じゃあ早いとこ二人で終わらしちゃおう!」

「うん…!」


ごめんなさい、幸せだ。





頭をなでる
(笑顔も声も手も、すごくすごく好き)(終わったら僕が頭を撫でてみようかな、なんて)
















―――――
甘い雷蔵くん、DA!進展あるといいね雷蔵!
恋人でない限り基本的に両片想い設定なのでこの二人も両片想いという裏設定付きだよウフフ…(^-^)



100213




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