「みっきえもーん!」

「…何ですか、苗字先輩」

私が想いをたっぷり込めて甘たるく呼んだのに、三木ヱ門は苦虫を噛み潰したみたいな顔をした。可愛い顔にそんな表情は似合わないのに。まあどんな顔でも三木ヱ門なら愛せるけどさ。

「何よ、その顔」

頭を撫でてやろうと手を伸ばせば、ぱしんと払い除けられる。

「止めてください。触らないでください。近寄らないでください」

ここが何処だかわかってるんですか、って。そりゃあここは食堂で、今は夕飯時だけどさあ?私たち恋人同士ですよね。愛の前では、時間も場所も何もかも無いに等しいのだよ!

「私はこんなにも三木ヱ門を愛しているのに…!ねぇ、滝ちゃん?」

「わ、私に矛先を向けないでくださいよ…」

しょうがないから一緒に夕飯を食べていた滝夜叉丸の頭を撫でる。あ、コイツやっぱり三木ヱ門よりサラサラしてやがる。ちくしょう。

「…苗字先輩っ!」

「なぁに?三木ヱ門」

滝夜叉丸のサラストを堪能していると、三木ヱ門がどん、と机に手をついて立ち上がった。隣のタカ丸さんをはじめ、周りの忍たま数人が三木ヱ門の方を見る。ただ綾部だけが平然と味噌汁をすすっていた。
三木ヱ門が私の手首を、がしりと掴む。そのまま、強い力で引っ張られた。

「わ、ちょ、三木ヱ門…ご飯は、わわっ」

いいからついてきてください、と問答無用で、連れてこられたのはどこかの教室だった。時間帯も相まって誰も居ない。扉をぴしゃりと閉めて、三木ヱ門は振り向くと、キッと私を睨み付けた。
あ、睫毛ながい。可愛い。

「っ…何で滝夜叉丸なんか撫でるんですか!」

「だって三木が撫でさせてくれないから」

「あんな、他の人がたくさん居るところでは恥ずかしいじゃないですかあ…!あ、ああゆうことはっ…、二人きりの時に…して…欲しい、ですっ」

顔を真っ赤にさせて俯く年下の恋人は、案外恥ずかしがり屋らしい。して欲しいことはして欲しいのか。よし、今度二人の時に思い切り可愛がってあげよう。今から楽しみで、にやけてしまいそうになる。

「ふふ、三木ヱ門大好き!」

「…僕だって、名前先輩のこと大好きです…っ!」

ぎゅっと思い切り抱き締めたら、先輩苦しいですといいながらも、しっかり抱き締め返してくれた。

「あと、滝夜叉丸のこと滝ちゃんって呼ぶの止めてください…っ!」

「わかった、そうするね、三木ちゃん」

「…っ」

ああもう、大好き!絶対離さないんだから!


(私の三木ヱ門!)















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「暴力スミレ」の猫迫様から相互記念の頂きもの。
ありがとうございます三木ティ大好きですたぎりました(^q^)

これからもよろしくお願いします^^





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