「こんにちはー」


男ばかりのむさ苦しいジムに似つかわしくない高い声が響く。皆一様に声のした方、入り口へと顔を向けた。そこにいたのはここ大阪にいるはずのない、


「名前!?なんで、おまっ、おるんや!」

「千堂さんこんにちはー」

「"こんにちはー"やあらへん!質問に答えんかい!」

「あ、柳岡さんこんにちはっ」

「はいこんちはー」

「む、無視とはええ度胸やないか…」


くそう…この浪速の虎をスルーやなんて流石名前やで…。ワイの恋人でありあの宮田の従兄弟なんつう豪華な肩書きは肩書きだけやないってこった。でも無視はアカン無視は。傷付くから、ワイが。
こっちには目もくれず、未だに柳岡はんと話しとる名前の目的は何なんや一体。愛しい愛しい武士君に会いに来たんとちゃうんか?


「…で、ですね、柳岡さんの耳には入れておきたい情報でして」

「ほー。それ言いにわざわざ大阪まで来てくれたんか。有難いけど、ホンマはあいつに会いに来たんちゃうの?」


こちらを見ながらウインクで合図する柳岡はん。会話をさり気なく持ってってくれた事には感謝するけど正直おっさんのウインクは気持ち悪いで!いや感謝はしてるんやけどな!


「せ、せやで名前!ワイに会いに来てくれたんやろ!?」


ちょっと強気になってみた。
でも名前はしれっとした顔で「や、本当に言いに来ただけだけど」とのたまいよる。あれ、ワイら付き合うとるんやんな…?


「そうだなあ、強いて言えば塩を送りに来たってところかな」


笑顔でそんな事言われても地味にショックを受けたワイはそう簡単に立ち直れん。自分でも分かるくらいに纏う空気が澱んどる。


「ああでも…今の千堂さん見てると塩を送るというより傷口に塩を塗るって感じですね!」


…傷口に塩を塗るどころか抉りに抉られまくったワイはしばらく名前と口を聞かんかった。





塩の用法
(千堂さん、電話出て下さいよー)(大人気ないとは分かっとるけど…凹むでありゃ…)




















―――――
よく分からないままに千堂さんを書いたはいいけどもう\(^o^)/パーン!って感じ…ごめんね千堂さん。



100319




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