「私ね、善法寺くんとか保健委員会の子とか…人を治すことに関わってる人ってすごいと思うの。だって人を壊すことは動物にだって出来るけど、人を治すことが出来るのは人しかいないもの」

















「って名前ちゃんに言われちゃったあああああああ!!留さんどうしようこれが世に言う"フラグ…フラグが立った…!"って状態!?」

「ちょ、うるさっ!クララが立ったみたいに言いやがって!」


部屋に帰って来た伊作が鬱陶しい程の調子で俺に何が起こったのかを半ば叫ぶように話をしてきた。こいつの何が凄いかって時代背景を全て無視した発言をした上にこっちを乗せてツッコミを入れさせることだ。恋する男と書いて変態と読む善法寺伊作の前に立ちふさがるものは何もない。


「しかしよぉ、そんなこと言ってっけどお前告白しようとしねえだろ。意味なくね?」

「いやだな留さんたら…恋愛は片想いの間が一番楽しいっていうじゃない!」

「ほう…」

「決して告白してフラれるのが怖いとかじゃなくただ純粋に今の関係を楽しんでるだけなんだよ単に余裕があるだけなんだよ!」

「黙れヘタレ」


苗字の私物を盗んだり、…最近は怪しまれないように同じ物を入手してすり替えてるが…。授業で苗字とペアになれるよう小細工したり、…最近は怪しまれないように五回に一回他人とペアにしてるが…。………ん?こいつダメダメじゃないか?
ダメなのは前から知ってたが変な知恵が付いた分、前以上に質が悪い。こいつすごい。すごいけど変態ヘタレという残念ぶり。


「なんつーか、お前すごいな」

「えっ、何いきなり!褒めたって名前ちゃんの筆はあげないからね!」

「要らん」


いい意味の"すごい"じゃないしな。苗字の筆云々に関してはもう注意するのにも疲れた。俺は悟りを開いたのだ。そもそも冒頭の苗字の台詞だけわざわざ色を変えて強調するような奴なんだ、疲れるに決まってる。変態行為にも見てる分には慣れてきたし、あとは伊作への注意の瞬間を見誤らなければいい話だ。


「ああん、名前ちゃん可愛い…」

「ならとっとと告白して来い!」

「ええ〜それは無理だって言ってるじゃ〜ん」

「…チッ!」

「舌打ち!?」





同室は変態ヘタレ
(早くくっつけ!)(見てるだけでいいんだもん…)("もん"じゃねえ!)




















―――――
久々の同室更新でした〜
なんかもだもだしてる伊作気持ち悪いですね、とっとと告白しろよ!

と思ったけどくっつけた方がいいのかしら



100311




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