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ゆっくりと静かな時間が過ぎていった。

シュナイゼルにはどうしても言えない言葉があった。

『私の騎士になってくれないかい』

『私は『閃光のマリアンヌ』の騎士。二君には仕えません』

そう彼が返すなど分かりきったことだった。


マリアンヌ様・・・貴方は死ぬことで彼の中で「永遠の人」になった。
彼の中で生者が決して立ち入れない場所に、貴方は居るのだ。

「シュナイゼル殿下?」

見上げてくる彼の頬に手を滑らした。
特別なのだ。
私は彼が特別なのだ。

流れる漆黒の髪。
鮮烈なサファイアの瞳。
揺るがない意志。

その全てが好ましい。

「いや、何でもないよ」




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