全ての終わりに(頼久)
いつか貴方は消えてしまうのに…
私は、貴方を…
『全てが終ったら頼久さんは、どうしますか?』
そう真貴殿が言った。桜の散る墨染で…
『そのような先のことは、よくわかりません』
そう答えると、私の返答に優しく笑って、
『頼久さんらしい』
と言うのを私は何故か焦燥めいた感情で見つめたー…
墨染の桜の下で、どこまでも儚い貴方…
一陣の風が真貴殿の艶やかな髪をさらって顔が見えなくなる…
『全てが終ったら…』
怖い…貴方が消えるのが…今まで側にいた大切な人を失いたくない。
全てが終って、どうなるのか、どうならなければならないのか?
そんなのは決まってるのだ最初から…
真貴殿は別に私の気持ちを知っていて、その言葉を言ったのではないと、わかっている…
…だが、こうした時の中で思いしらされるのだ。
貴方だけなのだと…
貴方しか、いらないのだと…
哀しいほどに真貴殿…
END
◇