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(テニプリプラスで書いたものから派生した小説です)
(*キャラの名前 は、その時のそのキャラの反応を書いています)
(ヒロインはマネージャー、『』内は四天メンバー全員です)
(逆ハーちっく)

舞台は合宿帰りのバスの中。レギュラーメンバーだけが乗っている、そこまで大きくはないマイクロバス。その中で、一人の少年が声を上げた。


「なあなあ!王様ゲームやろうやー!」

『………金ちゃん(金太郎はん)(金太郎)!?!?!?!?』


*白石
「どっ、何処でそないなもん覚えてきたん!?」、みんなが騒然として何も言えない中、一人絞り出して顔面蒼白。わなわなと口が震える。嘘やろ!?一体誰やねん!?うちのゴンタクレに何してくれてん!?と一瞬で沢山の言葉が脳内に浮かぶけど、浮かびすぎのあまり出てきた言葉は「ッッッ金ちゃんっ!!!」。

*小石川
何も言えない。しかし一瞬にして『王様ゲーム』という単語の意味と内容から、この後(自分とマネジに)起こるかもしれない事態を想像する。擬音で表すなら、モワモワ〜ンという音がしそう。これマネジともしかしたら……いやいやそんな事ない、大体やる訳がないやろ!………でも……。やっぱり、何も言えない。

*忍足謙
名前を呼んだ時の声が一番でかい。同時に叫んだはずの財前に「やかましいっすわ」と言われる。しかし本人はそれどころではない。これで万が一何か起こってマネジとキスしてしもたら…それでめちゃくちゃええ雰囲気なったら…実はマネジも俺の事好きやったら……。妄想の進む速さまでもがスピードスター。

*石田
たぶん目がめちゃくちゃ見開かれている。財前が正気だったらシャッターチャンス。しかしふと我に返り、「仏説摩訶般若波羅蜜多心経……」と心を落ち着かせる為にお経を唱え始めるから、隣りに座っている千歳もさすがにぎょっとする。邪心を払います。如何に師範と言えど、中学生ですからね。はい。

*一氏
「アカン!」と一番ごねる。理由はもちろん、小春と他の誰かが何かあったら嫌だから。しかし小春が同意するものだから、「小春が言うんやったら…」「せやけど…」をひたすら繰り返す。でも小春に「アタシとユウくんなら、ちゃんと一緒に選ばれるわよ」と言われ、鼻をツンとされたらもう嬉しくなって秒で承諾しちゃう。

*金色
ウフフと笑って「でもまぁ、実際車内も暇なんやしええやないの」と金ちゃんを後押し。みんなが悶々と悩んだりお経を唱えたりする中、「アタシが王様になったらぁ〜」と選ばれる方では無く、選ぶ側として色々と考える。見た感じ一番楽しそうにしてる。

*千歳
「楽しそうたいね〜」と普通に乗ってくる。恐らく単純に楽しそうだと思っている。忍足辺りが「千歳お前っ!」と言ってくるも、本人は喜ぶ金ちゃんを見てご満悦。この後も他のみんなが渋るも「やりたい〜!!」とごねる金ちゃんと「別にそんくらいやってもよかやろ?」とけろっとした顔で言ってくる千歳のお陰で、こんな事考えてるのは自分だけなんじゃ…と各々が反省する事になる。

*財前
思わぬ提案にフリーズする。尚、謙也にツッこむのは反射でしているので問題無い。ハッとしてマネジを見て、金ちゃんの発言にキョトンとしているマネジに、心の中でアカンめっちゃ可愛ええと呟く。「一体そんなんどこで覚えてくんねん」と言ってあからさまにため息をつくけど、内心マネジと選ばれたのを考えて溢れ出そうな何かを噛み締めている。


そうこうして、結局王様ゲームをやる事になった四天メンバー。小石川が揺れるバス内を移動し、全員が割り箸を手にしたのを確認して、白石が「ほな行くで」と声を上げる。


『王様だ〜れだっ!』


『………………』


「オイオイオイ王様居らんと始まらんで」
「いやでも俺ちゃんと王様って書いたで」
「ほんならなんで居らんねん」
「謙也さん王様って字わかりますよね?」
「財前お前しばくぞ!」
「……わかったわ。みんなもっかい自分の確認してみてくれへん?」

『……』

「俺ちゃう」
「俺もちゃうわ」
「アタシも違うでぇ」
「俺もちゃう!」
「俺も違うたい」
「ワシも違う」
「俺も」
「俺もちゃいますわ」
「私も違うよ」

『……』

「金ちゃん、その割り箸ちょっと見せてくれへん?」
「おう!ええでー!」
「…………金ちゃんやん王様」
「ええ!?そうなん!?ワイ王様なん!?やったー!ワイが王様やー!イエーイ!」
『ちゃうちゃうちゃう』


一人喜ぶ遠山に、みんなから止めが入る。


「金ちゃん、王様ゲームは王様になったらええっちゅうゲームやないんやで」
「ええー、そうなん?ほんならどうやったらワイが勝ちなん?」
「勝ち負けやなくてな、王様が王様以外の人間に何でも好きな事命令出来るっちゅうゲームやねん」
「……?」

イマイチ納得のいっていない金ちゃんに、王様ゲームの説明をする白石。白石ではないが、一体遠山が何処で王様ゲームという言葉を覚えたのだろうと全員が困惑を隠せない。そして何も知らない金ちゃんが一体、どんな命令を下すのか。全く想像がつかないのだ。

少しして、金ちゃんは納得したようで元気な声が上がった。


「ほんなら行くでぇ〜!」

「番号はなー、うーん、何番にしよかなー。………よっしゃあ!2番やー!」


元気な遠山の声がバス内に響き渡る。


「…あれ、2番は何処や?2番ー!」

「金ちゃんせやから番号は二…」「あ、金ちゃん私2番…」

『…………!?!?!?』


初めてでよくわからずキョロキョロと2番を探す金ちゃんに、黙っていられず私は自ら手を挙げる。そして名乗りあげた瞬間、一斉にこちらへ振り向いたみんなの顔が、何故だか真顔だった。

「なんや、姉ちゃんが2番なんや!」
「うん」
「よろしゅうなー!」

ブンブンと手を振って挨拶をしてくれる金ちゃんに、よろしくねと言って振り返す。
そしてもう一人決めなければいけない事を白石が告げると、金ちゃんは再び悩み始める。未だかつてない程に鎮まっているバス内は、車の走行音がやけに響いていた。

「ほんならもう一人は5番に決定やー!」

「ゴフッ」「財前っ!?」

前の方から突然吹き出す様な音と、続いてゲホゲホと咳き込む声が聞こえてくる。謙也の声を聞く限り、どうやら財前がむせてしまったらしい。

「おーい、5番はー?」。そして先程と同様、再び声を上げて周りを見渡す金ちゃんの呼び掛けに答えたのは……。


「俺が5番や」


ゲホッともう一つ咳をした財前が、手を挙げた。「おお!財前が5番なんや!よろしゅうよろしゅう!」と金ちゃんがにっこりと笑う。


「ほんなら命令するで!」


変わらず満面の笑みを浮かべた金ちゃんの口から、一体どんな言葉が出てくるのか。私達は息をするのも忘れて耳を傾ける。


「2番の姉ちゃんと5番の財前、二人であっち向いてホイや!」



『…………………おおお…』

余りにも予想外の命令に、みんな息を吐く事しか出来なかった。


〜小ネタ〜

T .割り箸
「王様ゲーム言うたら割り箸やんな?」
「でも割り箸なんて無いやろ」
「別に紙でもええんちゃう」
「あ、俺割り箸あるで(鞄の中から割り箸を取り出す小石川)」
「は!?なんで!?」
「昼飯の弁当に割り箸なかったら困るかと思て」
「オ、オカン………」

U .小春とユウジ
「それじゃあ3番と7番が「あら、3番はアタシや「ダメやー!3番はアカン!他の番号にせえー!」
「…ユウくん」
「なんや!」
「ほら手元の割り箸見たって?」
「え?(割り箸を見る)」
「ユウくん、7番やない?」
「ほ、ほんまや〜〜!小春う〜〜!!」
「先輩らほんま、キショ過ぎて大丈夫すか?」

V .千歳と謙也
「二人で手比べ〜?」
「簡単に終わってよかよ(千歳が手を向ける)」
「まあそらそやな(それに合わせる謙也)」
「お、俺ん手ん方が大きかね」
「あー、せやな」
「……ばってん、謙也の手はたいぎゃぬくか〜(にこにこ)」
「…………アカン俺惚れそうやねんけど!!」


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ほぼノンフィクションです。姪っ子(小二)役を金ちゃんにお願いしました。金ちゃん、絶対王様が一番強いと思うだろうなあ。可愛いです。


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