◎楽しい予感 心結side


「間に合ってよかったな」
「本当ーに。宍戸今日はどうもね!」


今日までが期限のワークを提出し、もう部活は終わっているであろうテニスコートに向かって2人並んで歩いている。

「別にいいけどよ、あれテスト範囲だろ?わかってないと厳しいんじゃねーの?」
「そうかも…。じゃあ、明日にでも教えて下さい!宍戸さん!」

「さっきから調子良すぎ」
「長太郎の真似だよー」
「…長太郎はそんな都合いいこと言わねーし」
「それは言えてる」
「だろ?長太郎に謝りなさい」
「長太郎ごめんなさい」


私がここにいない長太郎に謝れば「よろしい」なんて宍戸が返すから、面白くって2人で笑った。そうこうしながら歩いていたら、跡部と話している小春を見つけて私は声を上げる。


「小春おまたせ!」
「あれ、居残り結構早かったね?」
「そうそう、意外にも宍戸がワーク見せてくれたんだー!」
「意外は余計だっつってんだろ?」
「そうでした、すみません」
「ふふっ」


小春は私と宍戸を見て面白いのか、口を抑えて笑った。宍戸とはこうやって馬鹿話することばっかり。でもそれが心地いいというか、楽しいというか。


「さ、それじゃ小春はもう帰れそう?」
「そうそう、今景吾と話してたんだけど、今度の3連休+木曜日の4日間立海と合宿だって!」
「立海と?4日かー、長いね」
「うん、だから救急のものとか買わないといけないから今度買い物行こう?」
「わーい!行こう!」


小春との買い物楽しみだなぁ!うきうきしながら小春の横を見ると、少し悲しそうな顔をした跡部がいた。跡部があんな顔するなんて、あんまり見た時ないなぁ。小春のこと好きだから心配なのかな…。


「そういえば景吾、場所はどこでやるの?」
「場所は立海のほうで用意するらしい」
「珍しいな、いつもは跡部が用意してんのに」
「立海が用意すると言ってきたんでな。俺様にも、どこなのかはさっぱりわかんねえ」

「うわ、どんなところだろ!楽しみー!」
「うん!わくわくするね!」


私達は、ただそれを楽しみに思っていた。
そう、それが私達のこれからに、少しなりとも影響することを全く想像することができなかったんだ。



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