◎心配係 小春side


「景吾、おはよう!」


合宿が終わり、一晩寝てもなかなか疲れは取れなくて。それでも学校はあるからといつも通りに学校へ向かい歩いていると、丁度車から景吾が出てくるのが見えた。私は駆け寄って声をかける。


「おお、おはよう」
「合宿本当にお疲れ様。昨日はゆっくり休んだ?」
「…ああ」
「それなら良かった!…でも、まだ疲れてたりする?」
「アーン?」
「あっううん、違うんだったらいいの!」
「……」



「小春跡部、おっはよー!」
「わっ、おはよ!」


後ろから声が聞こえたけど、振り返る前に横を通り過ぎた心結。ものすごく急いでたみたいだけど…。


「アイツは朝から元気だな」
「…あ、そういえば英語のテストがあるって言ってたかも」
「宍戸あたりなんかは、もう着いて勉強してんじゃねーか?」
「ふふ、どうだろうね。でも宍戸英語苦手だからなぁ」

「宍戸は俺が直接教えてもさっぱり上達しねえ。絶対に海外は行けねーな」
「景吾の教え方、私にはわかりやすいのに」
「当たり前だろ?」


景吾と話しながら学校に入ると、いつものように靴箱にはたくさんの人がいた。


「それじゃ、俺は生徒会室に用があるから先に行くぜ」
「うん、またお昼休みにね!」





「あ、小春おーっす」
「ガックンおはよう!」


教室に入ると、私の席の近くの男子と話すガックンから声が掛けられた。私はガックンに答えながら自分の席へ着いて、カバンを机の横に掛ける。気がつけば、私の席の前にガックンが立っていた。


「合宿、お疲れ様でしたぁ」
「本当疲れたよなー、俺帰ってソッコー寝た」
「私も私も。今日はさすがに休みだよね」
「結構ハードだったし、たぶんな。一応部活の準備はしてきたけど…」


立海との合宿は最近決まったからか、合宿自体は練習計画表には書かれていなかった。そのため次の日である今日も、練習があることになっていた。計画表に書かれていない試合や合宿などの次の日の練習の有無は、景吾から当日聞くことになっていたから、私にもまだわからない。


「でも、景吾もまだ少し具合悪そうだったし、ないんじゃないかな」
「え、跡部まだ具合悪そうだったのか?」
「うーん、私にそう見えただけかもしれないけど…」


「景吾は大丈夫って言ってたんだけどね」。そう付け足すと、ガックンも心配そうな顔。誰も言わなかったけど、景吾が部活中に倒れるなんてよっぽどのことだもん。みんな心配してるんだろう。


「まぁ私が心配しすぎなだけかもしれないし!」
「でもあれは心配なるだろ。…とはいえ俺等があんまり心配しすぎても気持ちわりーし、心配すんのは小春に任せたぜ」
「えー何それ、面白い!」

「それが一番だろうしな。ま、昼休みになればわかるし、気長に待つかぁ」
「うん、そうしよう」
「じゃ、俺クラス戻るわ!またなー」
「はーい!」



ガックンと話して、少しほっとした。持つべきものは部員だなぁ。ガックン、ありがとう!



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