障子に目あり






きっかけは、ほんのちょっとの悪戯心だった。



最近はお互いに忙しくてなかなか会えていなかった。
それでも大きな仕事が一段落して少しの余裕ができたから、今日は久々に定時を少し過ぎたくらいに帰ることができた。
そこで久々に恋人に会いに行こうと彼の自室まで赴いたのだ。



物がほとんどない薄暗い部屋。待てど暮らせど部屋の主は帰ってこない。
暇潰しにぐるりと室内を見回して、唐突にあることを思いついた。

部屋の一番奥にある押し入れ。
―――あそこに隠れたらどうなるだろうか。


一言で言うと日番谷は暇だったのだ。
そしてあまりにも暇であると人の頭はおかしなことを考え出すらしい。

それでもそのときにはそれが名案のように思えていた。
市丸が帰ったときに飛び出していったらどんなに驚くだろう。
普段あまり焦った姿など見られないから余計に見てみたいと思った。

考えれば考えるほどわくわくしてきて、にやつく頬を引き締めつつ計画を実行に移すために押し入れに入った。



日番谷が身を潜めてから半刻もせずに市丸は帰ってきた。
押し入れの扉の隙間から覗く横顔はとても疲れているようだ。

こちらには全然気づいていないだろうから、わっ!と勢いをつけて飛び出せばたいそう驚くだろう。
しかし部屋の明かりもつけない市丸の様子を不審に思っているうちに、出ていくタイミングを失ってしまった。


「はあ…」


市丸は大きくため息をついて、死覇装をぱさっと脱ぎおとす。
白い着流し姿になった市丸は暗い部屋にぼうっと白く浮かんでいて、なんだか色っぽいと感じた。

その不思議な魅力から目が離せないでいると、市丸は敷きっぱなしになっていた布団に腰をおろした。

ああ、もう寝るのか。
つまんねえけど、まあ市丸が完全に寝たあとこっそり出ていけばいいか。

なんて考えていたら、微かに上がったような息の音が聞こえてきて。


「……ッ、は」


何やってんだ市丸…なんて不思議に思って隙間から覗いてみると、暗くてよくは見えなかったが片膝を立てた状態で彼は布団に座っていた。
そしてリズミカルに手が動くのにあわせて、室内に響く荒い息。


(ま…さか…)


市丸が何をやっているか。それを理解した途端に顔中に血が集まってきて、耳までがかあああっと熱くなった。


「…く、」

「っ!」

それからは市丸がわずかな声を上げる度にこっちまでびくっと反応してしまう。
普段しているときは自分のことで精一杯で、市丸のほんのわずかな最中の声なんて聞いたことがなかったから新鮮で、妙な気持ちになった。


「ひつ、がやさん…」

「っ!」


一瞬自分がここにいることを気づかれたのかと思ったが、違ったようで、市丸は少しだけかすれた声で日番谷の名前を何度も呼んで、行為に耽っていた。


「好きや…、ぅ、っ」

「…っ、」


面と向かって言われているのではないのに、そんな"思わず漏れた"みたいに言われるとたまらなくて、血がどくどくと全身を巡った。
腹の奥がぐんと熱くなる。


(やべ…、)


かあっと熱くなった体を片腕で抱いて、日番谷はどうしようもなくなってしまった熱をもてあましていた。





End
―――――――――


ど こ が お 祝 い だ\(^o^)/ww

いえいえ、ギンヒツの絡みなんてないしえろだけどもこれは立派なギンヒツデーのお祝いですよ!

これから先の展開を各自妄想して楽しんでもらおうというね、コンセプトなのですよ…(何がコンセプトだ)


押入れのなかで自分もやっちゃう、でも声を抑えられず結局ばれて言葉攻めand焦らしぷれいの展開か、

自分で押入れから飛び出していって、真っ赤になりながらも市丸のじいを自発的にお手伝いな展開か、とか。

いろいろ考えて楽しんでください!(投げたなこいつww)


ちなみにテーマは疲れマラとかいうやつでした



いくら解禁日だからってひどすぎるwwww


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