口内に甘い味が広がる。ぬるっと入ってきた舌は好き勝手動きまわって日番谷の口内を隅々まで味わう。
それと同時にその舌に残っていた飴の甘さが日番谷にも移ってきて、次第に頭がぼんやりしてきた。

「んぅ…は、う」

ちゅくちゅくと唾液の絡まり合う音がして、飲みきれなかった液体が口端からたらっと流れた。

舌から伝わった甘い痺れは全身にじんわりと広がり、やっと長い深いキスから解放されたときには、乱れた息を吐き、力なく背もたれに身体を預けることしか出来なかった。


「そない気持ちよかった?」

「…うるせえ、あっ」

「ここ、立っとるよ」


急に死覇装の袷から手を入れられて、すっかりピンク色に立ち上がった胸の飾りをつままれた。思わず身体が跳ね、甘い声を上げてしまう。

「んっ、やめろ…」

「嫌や。一緒に楽しもうって言うたやろ?」


そう言うと市丸は日番谷の前をはだけさせて、薄っぺらい胸を完全に露にした。
つぅ…っと腹から鎖骨にかけてをなぞると、日番谷の身体はぴくっと反応して、とても加虐心を煽られた。



急に胸元が露出したため、日番谷は寒さにふるっと震えて、ギュッと目をつむった。つむっていると、いきなり胸に濡れた感触が走って飛び上がった。
つい自分の胸を舐めている市丸を想像してしまって、腰の奥がずくんと疼く感覚がした。

「んっ、…」

おそるおそる目を開いてみると、そこには満面の笑みで先ほどの棒つきキャンディを握る市丸の姿があって、信じたくもないが、日番谷は瞬時に状況を悟ってしまった。

「やっ、止めろって!」

「あかん?普通に舐めて欲しかった?」

「違っ…あ!やぁ、」


市丸の手中にある棒つきキャンディは、日番谷の胸の飾りのまわりを、あえて中心には触れないようにぐるりと回る。
直接的な刺激でなくて、でも気持ちよくて。日番谷はもどかしい快感に耐えるように眉間に皺を寄せた。


「あ、もっ…やめ、ろ」

「やめたないよ、めっちゃ楽しいもん」

「く、そ…変態っ!」

椅子に押しつけられた日番谷は身動きをとることも出来ず、ただ市丸の唾液で濡れた飴の感触に耐えるしかなかった。

ぐりぐりとその飴で赤く熟れた突起を押しつぶされると、舐められるのとも、指で弄られるのとも違った快感で、よりいっそう甘い声が漏れた。


「ああっん!やぁ、いちま…」

「乳首気持ちええの?こんな美味しそうな色になっとる」

「や、ぅあ…ッ!」

今まで散々弄られたそこを、チュパッと飴を口にするように舐められて、敏感な身体はどうしようもなく感じてしまう。

「日番谷はんの乳首、なんでこんな甘いん?ヤらしいな」

「そん、…あッ!」


指摘されたそこが甘いのなんて、市丸が飴を押しつけたからであって、どうして自分が『いやらしい』なんて言葉を受けなければならないのだろう。

そう市丸に抗議しようと思ったけれど、掠るように歯をたてられれば、日番谷はもう喘ぐことしか出来なかった。




* * * * *


「…っう」

目が覚めると日番谷は、身体中鈍い痛みに苛まれていた。
腰がずきずき痛くて、更に後ろの、考えるのも嫌なようなところでさえヒリヒリ痛んだ。

「大丈夫、日番谷はん?」

「大丈夫じゃねぇ…」


昨日、ハロウィンにかこつけて散々身体を弄ばれた日番谷は、渾身の恨みを込めて市丸をにらんだ。
市丸のせいで、ハロウィンもお菓子も、大嫌いだ。

「ごめんって!でも気持ちよかっ…」

「死ね!!」


…ああ最悪。
変態な恋人を持つと大変だ。

あの後の棒つきキャンディの使い道なんか、思い出すだけで顔から火が噴く。
飴が綺麗に溶けきってしまうまで、あんなところに入れてぐちゅぐちゅかき回されたのだから。


「はぁ…」

もう何度目か分からないため息をついて、日番谷はゆっくりと立ち上がった。
ズキン、腰が痛む。

走った鈍痛に思わずガクンと膝をつきそうになったところを、慌てて手を差し出した市丸に支えられた。
腰に手を回して身体を支えてくれる市丸は、ほわんと温かくて、少しだけ格好良かった。


「市丸…」

「ほんまごめんな!昨日は日番谷はんがあんまり可愛えから、つい調子に乗ってもうた。…腰、大丈夫?」

「…ん」


流石に辛そうな日番谷を見て申し訳なく思ったのか、市丸は眉尻を下げて、心配した素振りを見せた。


「もう、次したら許さねえからな。…わかったか」

「…はい、気ぃつけます」


反省して謝る市丸を見ながら、実は、まぁちょっとくらいなら…なんて思っていることは内緒だ。

たまには、本当にたまには、こういう小道具を使うのも………って何考えてんだ俺っ!!!



END


ハロウィンあんまり関係ないですけど…ていうかハロウィン過ぎちゃったけど!
『お菓子ぷれい』で某さんにリクエストもらってたやつです(^∀^)←

てぃくびばっかr(殴


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