chain of poison




ピンポーン
「いらっしゃーい、なまえ!」
蔵の家に着きました。


ドアが開いて蔵が私を見るなり、ギュっと抱きついてくる。

「もうなまえがいつくるかと思うと、昨日の夜も眠れなかったで。」
「遠足じゃないんだから。」
笑いながら蔵の家にお邪魔する。

あ、こっちやこっち、と案内されるまま行くと白石君の部屋につく。
適当に座り、荷物をおろしてホッと一息つく。
前はあんなに嫌いだった蔵の家にいるなんて不思議。
隣の蔵を見上げると、目があってニコリと笑いかけられた。
それだけで頬は紅潮した。
いや、蔵の部屋にいるからも原因に入ってるかもしれない。

「あ、お菓子作ってみたんだけど…食べる?」
「貰う貰う!」
鞄からチョコチップクッキーを取り出す。
それをキラキラなお目めでみる蔵。
尻尾とか耳とかはえてそう。
称するなら、

「蔵、犬みたい。」
クスリと笑いながらつぶやく。
「……。」
なんかいきなり機嫌の悪くなった蔵。
目線がなんか怖い。

「蔵?クッキーいらないの?」
ジッと私を見てくる。
コクリと唾をのみこむと、蔵は肩に手をおいて押し倒してきた。
「く、蔵!?」
最近こんなことなかったから、びっくりして私の声はうわずっていたと思う。
「そうやな。」
ゾクリとするほど声が冷たい。

「俺はなまえを食べる犬や。」
首筋を舐められる。
ザラリとした感触が嫌だ。

「っ……。」
「だって゛犬みたい゛って言ったのはなまえやろ?」
他にも耳や腕、胸元も舐められる。
まるで犬みたいに。

「犬やから食っちまうのは当然やろ?」
服に手をかけた蔵の腕をつかむ。
「なんや?制止なら聞かん…」
「お願い。やめて…。」
潤んできた目を蔵に向ける。

最初は不思議そうに私のことを見てたけど、すぐに眉がハの字になった。
「すまへん…。」
「ううん。あのね…。」
目をそらした。
今から言おうとしている言葉に自分が赤くなってる気がする。
「そういうのは、お風呂入ってからがいい。あとね、前みたいな強引なのは嫌。優しいのがいい。」
「なまえ…!」
ギュっと抱きつかれる。
蔵の体はあったかかった。



ご飯だって食べたし、お風呂も入った。
準備万端で、ベッドに寝転がって蔵を待つ。

今日のために、普段は着ないネグリジェだって買った。
ピンクのリボンがついててかわいいやつ。
いつもは可愛げのないパジャマだから。
せめて彼氏の前では背伸びしてみようと思う。

「なまえ〜。」
蔵は私を見るなり抱きついて、首に顔をうずめてくる。
「蔵、くすぐったいって。」
「ええやん。こうしてるとめちゃ幸せな気分になれるんやもん。」
小さく笑う。

本当に甘えんぼさん。
蔵は、私に抱きついてコロンとベッドに寝転ぶ。

「好きやで。」
囁かれて、私は頷く。
もう言われなくたって知ってる。
私と無理矢理行為をしたあの日からずっと好きでいてくれてることも。
ときどき怖いのは私が嫌いってことじゃなくて、すきだからってことも。


そして私も蔵なしではもうダメなことも。
嫉妬だってしてしまうし、彼がいないと寂しくもなる。
自ら絡めていく。。
蔵の毒で作られた鎖に。
「いいよ、やっても。優しくね…。」
私は蔵がおとしてくるキスに溺れながら呟いた。


end?



・あどがき
゛chain of poison゛の意味は毒の鎖。
白石君に段々と染まっていくのを書きたかったのですが、序盤から進路変更という(笑)
毒の鎖の表現をいれることが出来るか不安でしたが、なんとかいれることができて嬉しく思ってます。
続きは需要があれば。(mainページのアンケートまたはclapにて)
感想などいただけると嬉しいです。

引き続き、このサイトにおつきあいしていただけると嬉しい限りです><



2012.1.13



 

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