親はいない。信じることが出来るのは兄のみ。
ね、どうしたらこの関係は許されるの?


「ん……。」

電気が消され扉が閉められた暗い部屋で、私達はお互いを求めるように唇を重ねる。“お兄ちゃん”と呼ぼうとして私は口をつぐんだ。違う。今は兄妹の関係じゃない。

「景、吾。」
「今は黙れ。」

冷たく吐き捨てられるとまたキスをしてくる。私の頭を抑えていない左手は私の腰を滑り落ちていく。
いつもはお兄ちゃんは優しい。だけど、こうやって私の義理の両親――勿論お兄ちゃんには本当の両親――の目を盗んでこんなことをするときは厳しくなる。
けれどそれは私が妹ではなく一人の女として見られている証拠。別に苦じゃない。
誰かが来る気配がして私は部屋の電気をつけ素早く椅子に座り、たった今まで勉強していたように装う。扉が空くとそこには家のお手伝いさんで。

「あら。お勉強していたの?」
「はい。兄に分からない問題教えてもらっていました。」

お手伝いさんは私とお兄ちゃんを笑顔で交互に見比べて、微笑ましいわぁと呟いて去って行った。
いけないことをしているという自覚からだろうか。お手伝いさんが部屋にきたあんな短い時間でさえ長く感じた。それは多分お兄ちゃんも同じなんだと私は思う。お兄ちゃんを盗み見ると、小さく息を吐いていた。

「なぁ。いつになったら俺達は兄妹を辞められるんだ?人目を忍ばずに名前を抱き締められる?キス出来る?」

お兄ちゃんは天井を見上げて呟いた。
お兄ちゃ、いや、景吾。それは無理だよ。兄妹という関係は絶対にきれない。義理だとしても兄妹になってしまったのだから。切っても切れないこの関係。
でも、私は許されなくても景吾のことを好きでい続ける。この関係がばれてしまっても、離れ離れになってしまってもずっとずっと

「好きだよ。」

20120725


■アマネ様へ
書けた書けた書けました!正直ハードル高い思っていましたが、なんとか完成しました!ちなみに執筆期間は一ヶ月!リクもらった直後から書いては消しを繰り返してました。そのくせ意味分からない文章に仕上がりました(^ω^;)
文才あるだなんてもったいないお言葉をいただきましたが、本当はないことがばれてしまいましたね。
リクありがとうございました!

PS
仮恋人は私のほうでも続き書きたいと思ってます!



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