「――…ちーっとばかしガラの悪いヤツはおるけど、あんさんなら心配あらへんし。あ、もし何やイチャモン付けてくるヤツは無視したってな。」
「…分かった。」
「ほなワイらの本拠地(テリトリー)にようこそや!」
「(…視線が痛い。)やっぱ帰る。」
「ちょ、即答?!此処まで来たんやから引き返すんはナシやで!VIPルームに行けば人も少ないさかい、ちょーっと我慢せぇって!!」
「何してんだ壱佐。」
「あ、烏継先輩。」
「何でお前が此処にいんだよ?」
「ワイが誘ったんや。ちょお元気なさげやったから優しい兄ちゃんが話聞いたってやろ思うて。」
「…アホ。」
「ほら、何時もの毒がないねん。」
「…確かに」
「(どんな確かめ方してんだ、こら。)」
「とりあえずVIPに行こか。此処におるとめっちゃ目立つし。」
「そうだな。」
「………………………………なんでこんな無駄に広いの。」
「無駄って…広い方がええやん?」
「ボクは狭い方がイイ。」
「そうかいな。あぁ、そこのソファーにでも座っとき。何か注文したる。」
「…紅茶飲みたい。」
「はいはい。他にはあらへん?」
「ない。」
「じゃ注文するでー。龍之介は何か飲むかいな?」
「何時ものヤツ。」
「OK。」
「(…視線が微妙に痛い。)」
「アッチのは幹部やけど紹介した方がええか?」
「いらない。」
「「「「「!」」」」」
「お前、少しはオブラートに包めよ。」
「…無理。」(ぐちゃぐちゃな心は上の空。)Prev Novel top Next