「――…はぁ、すごかったですね。初めてだったんですけど、植物園ってとても綺麗でした。」
「楽しかったか?」
「もちろんです。こんなに素敵な所だって知っていたらもっと早くに来たかったくらいです。」
「八月頃になると向日葵畑も出来るぞ。」
「向日葵ですか…。」
「好きか?」
「好き、と言いますか…親友によく似てる花だなって思います。真っ直ぐで、いつも大きく花開いていて、人を笑顔にさせる花ですよね。」
「…私の目はあなただけを見つめる。」
「?」
「向日葵の花言葉だ。…他にもあるが。」
「素敵な花言葉ですね。」
「そうだな…。」
「…あ、ちょっと待っていてもらえますか?」
「あぁ…?」
「―――…お待たせしました。これをどうぞ。」
「…花?」
「はい。亜麻といいます。花言葉、よければ今度調べてみてください。」
「…分かった。」
「帰っちゃうみたいですね。」
「どうやら此処が目的地だったみたいやなぁ。」
「俺たちも帰るか。」
「はい…。(レンちゃん、すっごくすっごく楽しそうだった…。)」
「(考え込んでるな。)アイツはアイツで好きにするだろ。」
「そっか…そうですね。あたし、ちょっとお節介だったのかなぁ…。」
「さぁな。少なくともダチの為に何かしてぇって気持ちは悪いモンじゃねぇよ。」
「(わ、龍之介先輩が褒めてくれた…!)…えへへ、そうだといいです。」
「訳分からん…なぁ、何の話や?」
「何でもねぇ。」
「(レンちゃん、恋しないのかなぁ…。)」(花言葉は‘あなたの親切に感謝します’)Prev Novel top Next