「…これで最後みたいですね。」「手、洗うか。」「はい。」「今日はダージリンだ。」「クッキーが合うとイイですけど。」「…座ってろ。淹れて来る。」「じゃあクッキーを出しておきます。」「ん、」「…そういえば、まだ名前を聞いてませんでしたね。ボクは相沢連里といいます。」「……八重樫紫桐、…紫桐で良い。」「紫桐先輩は何年生ですか?」「二年だ。」「じゃあ一つ上なんですね。」「あぁ。」「あ、ありがとうございます。」「どういたしまして。」「……美味しい。このダージリンも家で育てているんですか?」「いや…これは買った。」「とっても美味しいですね。」「クッキーも美味い。」「口に合って何よりです。」「………。」「(沈黙ってあんま好きじゃないけど、紫桐先輩の沈黙って落ち着くなぁ。)」「…レンリ。」「はい?」「日曜日、暇か。」「えっと…特に用事はありません。」「…植物園。」「え?」「見に行かないか。」「そうですね、ボクで良ければ喜んで。」「携帯、貸せ。アドレス交換する。」「どうぞ。」(図らずも羊飼いは黒豹を手懐けた。)Prev Novel top Next