「そういやあの黒豹が人探ししとるんやってなぁ。」
「何いきなり。」
「いんやー?あんさんと同じ名前のヤツ探し取るようやし、気になっただけやけど?」
「そうなんですよ!レンちゃんに何か起きないか心配で…。」
「大丈夫だってスズ。ボクは悪いことなんて何もしてないんだし。」
「…よく言う。」
「何か言った?烏継先輩。」
「何でもねぇ。」
「(そういやあの花壇どうなったんだろ?)」
「あ、レンちゃんフェンスに上ったら危ないよ!」
「落ちないからヘーキだって………ん?」
「? どうかしたの?」
「(もしかしてあの人影…、)ごめん、ちょっと出かけて来る。」
「う?うん、行ってらっしゃい!」
「烏継先輩、レイをよろしく。」
「ワイわ?!」
「隠岐先輩は別に。んじゃ、」
「はっ…はぁ…、あれ…?(おかしいな、さっきは確かに居たのに。)」
「………誰だ。」
「わっ?!(何時の間に後ろに?!)」
「…レンリ。」
「へ?何でボクの名前…」
「この間、此処にいただろう。後輩がそう呼んでた。」
「あぁ、なるほど。……もしかしなくても先輩が探してたのってボクだったりします…?」
「(コクン)」
「(マジか。)何でボクなんか探してたんです?」
「花壇を直してくれた礼がしたかっただけだ。」
「そうだったんですか。でも、あれはボクがしたくてやっただけですから、気にしないでください。」
「そうか。…暇か?」
「(午後の授業はあるけど、)えぇ、時間はありますが。」
「茶でも飲んで行け。」(伝説の黒豹と羊飼いの不思議な出会い。)Prev Novel top Next