「透さんは部活動はどうされるんですか?」
「あー、美術部が幽霊部員でもいいって言ってくれてるからそこにするつもり。ほら、夕飯の支度とかあるし、文化祭で展示する時だけ何かすればいいだけだから」
「その、僕も何かお手伝いした方がいいでしょうか?」
「ううん、いいよ。食事作るのってわたしが好きでやってることだし」
「そう、ですか…」
「弓弦くんは何かやりたい部活はあった?」
「バスケットボールにしようかと思っています」
「意外、運動神経良いんだ?」
「そこそこですよ。勉強ばかりしていると体が鈍ってしまいますので」
「うわぁ、偉いね」
「透さんの方が偉いです。毎日夕食を作ってくれているんですから」
「そうかな」
「そうです。試合の時に見に来てくださいますか?」
「もう試合に出る気でいるの?…うーん、まあ、もしそうなったらお弁当持って見に行くよ。でも遠かったらさすがに無理だけど」
「じゃあ近場ならいいんですね」
「近場ならね」
「透さんに見に来てもらえるよう頑張ります」
「…なんでそこまで…」(ああ、そうだこの人許婚だったっけ。)Prev Novel top Next