「リボンよし、スカートよし、寝癖なし…うん、OK」
「おはようございます、透さん」
「おはよう、弓弦くん。制服よく似合ってるね」
「透さんもとても可愛いですよ」
「あ、ありがとう…。そういえば今日は伯父さんも伯母さんも来れないって聞いたよ。せっかくの入学式なのに残念だね」
「さすがに地元から来るには遠過ぎるので仕方ありません」
「うちのお父さんとお母さんだけど、写真撮ってもらって良い日にしよう!」
「そうですね」
「(うわぁ、イケメンの笑顔って破壊力ある…)」
「透ー、弓弦くーん、そろそろ出掛けなさーい」
「はーい」
「はい、今出ます」
「見て、あの人カッコイイ…」
「すごいイケメン。優等生っぽい感じがいいね」
「(めちゃくちゃ視線が集まってる。主に隣に…)」
「この校門の桜、とても綺麗ですね」
「へっ?あ、本当だ。すごく綺麗」
「透さん」
「うん?…!」
「頭に花びらがついていましたよ」
「あ、ああ、ありがとう…」
「帰りにここで写真撮っていきましょうか」
「…そうだね、こんな綺麗な桜なら記念写真にピッタリ」
「家族写真と二人の写真と別々に撮りましょうね」
「?」
「ダメですか?」
「ううん、別にダメじゃないよ。でももしかしたらその後に友達と撮るかもしれないから、遅くなっちゃうかも。そうなったら先に帰ってもいいから」
「いえ、待ちます。帰りに美味しいホットケーキのお店、行きましょう」
「あはは(…それって完全に制服デートだよ)」(新しい生活がこの向こうに待っている。)Prev Novel top Next