「ごめんスズ、委員会の見回りがあるから先輩達と今日は帰ってくれる?」
「うん良いよー。委員会がんばってね!」
「ありがと。………あー、一緒に帰りたかったなぁ。」
「連里先輩!」
「お待たせ、それじゃあ見回り行こうか?」
「はい。」
「――……………………あ、(花壇荒れてる。)」
「? どうかしたんですか、先輩。」
「や、花壇がさ、踏み荒らされてるなぁって…。」
「本当ですね。誰がやったか知りませんが怖いもの知らずですよね。」
「だね。あの伝説を知らないのか、知ってて憂さ晴らしでもしたのか…。」
「離れましょうか。見つかったら恐ろしいことになりますし。」
「んー…、見回りやっといてもらえる?」
「え、もしかして花壇直すんですか?」
「うん。あのままだと、ちょっと花が可哀想だし。風紀が取り締まれなかったせいもあるし。」
「…分かりました。気をつけて下さいね。」
「ありがと。終わったらそのまま帰って良いから。…お疲れ様。」
「はい。お疲れ様です、連里先輩もあまり遅くならないよう気をつけて下さい。」
「分かってるよ。」
「さて、まずは土から直すべきか。…誰だよ、花壇の外まで土蹴飛ばしたヤツ。」
「…あ、この花折れてないからまだイケるかも。添え木で何とか出来そう。」
「(折れてる花はどうしようか…)捨てるのも勿体無いし、応接室に飾っておこう。」
「――…ふぅ、こんなもんかな?だいぶ綺麗になったしイイか。」
「(もう六時半か…二時間もやってたのか。いい加減帰らないと。)」
「――――…レンリ、か」(気付かない羊飼い。陰から見つめるのは黒い瞳。)Prev Novel top Next