「おはよ!」
「ん、おはよ。」
「一緒に学校行くなんて久しぶりだね。」
「そうだね、何年ぶりだったかな?」
「2年くらいじゃないかな。レンちゃんが朝弱いから先に行けって言ったんだよね!」
「そうそう。」
「やっぱり一緒に学校行くのがいいよ。すごく嬉しい!」
「ボクも。一緒にいないと落ち着かないしね。」
「これからまた一緒に登下校しようねー。」
「もちろん、がんばって早起きするよ。」
「うん!………あ、門のところに先輩たちがいる!!」
「(待ってたのか…。)ホントだ。」
「せんぱーい、おはようございまーす!!」
「こらスズ、大声で呼ばない。」
「あ、またやっちゃった。」
「全く。女の子なんだからおしとやかに、ね?」
「えーでもレンちゃんはー?」
「ボクは別。」
「おはよーさん。」
「…はよ、」
「おはよ。」「おはようございます!」
「レイちゃんと連里は今日もセットかいな?」
「単品販売はしてないからね。」
「残念だな。」
「?」
「何でもないよ、教室行こ。」
「うん!」
「(………。)スズ、スズの上履きはコッチ。」
「あ、そっか。昨日レンちゃんと一緒に別のとこに入れたんだった!」
「そこ使っとるんやね。」
「えぇ。スズ、先に烏継先輩と行っててくれる?」
「いつものやつ?」
「そう。」
「うん、分かったー。」
「何時ものヤツって何やねん?」
「コレ。」
「………手紙?」
「そ。烏継先輩が迎えに来ちゃったあの日から、スズの下駄箱は不幸の手紙とか呼び出し状の嵐な訳。」
「毎朝あんさんが片付けてるんか。」
「あの子には見せられないでしょ?」
「確かになぁ。…ってかレイちゃんは気付いとらんの?」
「ボク宛てのラブレターか何かだと勘違いしてるっぽい。訂正するのも面倒だからそのまましちゃってる。」
「………どないすんねん、ソレ。」
「裏の焼却炉行き。」
「開けへんのか。」
「古典的だけどカミソリとか入ってるからね。…ほら、明かりにかざすと見えるじゃん?」
「…ホンマや。」
「だんだん多くなってて、運ぶのしんどかったし先輩に手伝ってもらおーと思ってさ。」
「ワイを使おうなんて思うのあんさんくらいやで。」
「へぇ、そりゃ良かったね。パシリになるのもイイ経験だよ、隠岐先輩。」
「悪魔やな。」
「先輩たち程じゃあないですよ。」(強風吹き始め、羊飼いは狼を飼い慣らす。)Prev Novel top Next