「スズ!!」
「あ、レンちゃんお疲れさまー。」
「ごめんね、スズ、ちょーっとボクこれから烏継先輩とイロイロ話さなきゃいけなくなっちゃったから、隠岐先輩と旧校舎の応接室に行っててくれる?」
「え?でも午後の授業が…、」
「スズ。」
「な、なに…?」
「午後の授業は休んでもらえる?…隠岐先輩、すみませんけどスズと一緒にいてあげてください。」
「何でや。」
「隠岐先輩にもキチンと後で話します。………スズ、ボクが行くまで隠岐先輩と話して待っててくれる?」
「う、うん。」
「ありがと。」
「………………………………何の用だ。」
「…ソレ、本気で聞いてるんですか。」
「あぁ。お前と話す事なんか無ぇ。」
「っ、ふざけんな!!この木偶の坊が!!!」
「んだと、もっぺん言ってみやがれっ!!!」
「あぁ何度だって言ってやるさ木偶の坊!阿呆、間抜け、大馬鹿野郎!!お前は自分がどれだけ目立ってるか、どれだけ影響力があるのか分かないほど弱いお頭(つむ)なのか?!デカい図体してるクセにその頭ん中は空っぽか?!!」
「っ!!」
「ぐっ…!!(コイツ本気で殴りやがった!)」
「…いくら鈴のダチとは言え、俺でも許せねぇことはあるぞ…?」
「ならお前はその鈴を傷付けるつもりか?!」
「…?」
「お前に今まで言い寄った女は何人いた?その女たちをお前はどんな風に扱ってた?お前と、お前たちのチームと喧嘩をしていた別の不良たちはどれぐらいいる?ソイツらは全員お前に服従を誓ったのか?お前の傘下に入ったのかっ?」
「何が言いたい?」
「お前が今まで無碍にしてきたヤツらは鈴を傷付ける!」
「なら守るまでだ。」
「出来るのか?お前が捨てた女たち全員が鈴を目の仇にするぞ、そうして校内ではどこにいたって狙われる。それだけじゃない。お前が叩き潰してきた不良たちの中で、お前に屈さずにいるヤツらはどうだ?お前が鈴を大事にしているのを見れば十中八九弱い鈴を狙うだろう。喧嘩どころか言い合いすらロクにしたことのない鈴が不良に掴まったらどうなるか…分からないほど馬鹿じゃないだろ?それが多ければ多いほど鈴の危険は高まる。…なぁ、お前が捨てた女はこの学園に何人いる?この街中に何人いる?お前が潰し、お前を憎む不良たちは一体どれだけいる?分からないだろう?‘どれだけいるか’なんて分からなくなるくらい、お前は好き勝手していたからな!」
「っ……」
「お前個人の問題だったら構わないさ!身から出た錆だと笑ってやった。でも狙われるのは確実に鈴なんだ!!お前でも、お前の部下でもない、ボクの親友なんだよ!!!さぁ答えろ、お前は本当に‘鈴を守り切れる’のか?!!」
「、俺…は…」
「守れないのなら‘好意’なんて抱くな!鈴をお前の自己満足に巻き込むな!!」
「自己満なんかじゃ、ねぇよ…」
「ソレは鈴がお前に好意を抱いているからか?」
「…あぁ。」
「なら鈴の中からその好意を消すまでだ。」(目を見開く狼を撃ち殺したくなった。)Prev Novel top Next