「――…さてと…スズ。」
「んー?何ー?」
「ボクと隠岐先輩はちょっとアッチで話があるから、烏継先輩と一緒にいてね。」
「うん、分かった!」
「ぇえ?ワイは別に…。」「良いから来てください。」
「…行って来い。」
「リュウまでワイを除け者にするんか?!寂しくて死んだらどないすんねん!!」
「ウサギですかキモ…おっと、気持ち悪いですね。」
「?!(言い直した意味ないやん!)」
「それから烏継先輩、」
「?」
「狼に子羊を差し出すほどボクは優しくないので、そう簡単には行かせません。」
「!」
「…あの、殺気を向けるの止めてもらえませんか?」
「なんや気付いとったんか。」
「それだけ垂れ流しにされて気付かないのはスズくらいなモンですよ。」
「そーかもしれへんなぁ。…で、あんさん何であないな事言うたんや?」
「あんなこと…?あぁ、さきほどの宣戦布告ですか。」
「そや。ワイらがどんなヤツかくらい知っとるやろ?」
「もちろん。だからと言って親友を差し出すほどボクも落ちぶれちゃいないんですよ、先輩。」
「龍之介は本気でレイちゃんが好きなんや。別にあの子を傷付けるつもりはあらへん。」
「そうだとしてもボクは傍で見させてもらいます。もしスズが傷付くようなことがあれば、即座に引き離しますよ。」
「…お互いに想ってても?」
「想うだけなら誰にでも出来ます。それを現実問題として考え、あらゆる障害が降りかからないように出来なければ結局どちらも傷付くだけです。」
「あんさん、考え過ぎとちゃう?ワイらはまだ高校生やで?」
「高校生だからこそ、ですよ。」
「?」
「分からないのならこの話はここで御仕舞いです。どうせこれ以上話しても平行線でしょうし。」
「…冷たいって、言われたことあらへん?」
「よく言われますし自覚もしていますのでご心配なく。」(大人であり子供であるからこその残酷さもあるのだよ、狼くん。)Prev Novel top Next