スクアーロ生誕祭201 | ナノ

あなたはまだ知らなくていい


次の日。ついにスクアーロ隊長の部下としての初任務である。朝食や武器の点検、すべての準備を出発の30分前までに終わらせ、門のところに15分前には到着した。待ち合わせの出発の10分前にスクアーロ隊長が来る。他の下っ端の隊員とは別にスクアーロ隊長と私と運転手は歩き出す。午前中は近くのファミリーとの話し合いだ。近くにボンゴレやそのファミリーの縄張りを彷徨くファミリーがいるらしい。その件について、話し合うようだ。少し前にその彷徨いている奴に忠告はしたらしい。怪しい動きを見せるならば消すと。するともう少し慎重にはなったが、彷徨く頻度は変わっていないらしい。この状況をどうするか話し合うらしい。ベルさんとの任務ではこんな任務はなかった。あくまで暗殺部隊としての暗殺という任務でしかなかったのだ。でもスクアーロ隊長はボス一人で対処しきれなかった場合こういった会合にも出るようだ。

「なまえ会合ははじめてかぁ?」

『はい』

「まぁ堅くならなくていいからな。アジトでの戦略会議みてーなきもちでいろ」

『はい』

スクアーロ隊長の隣で頷く。そしてまもなく目的地に着いた。

今日の会合の相手はキャバッローネファミリー。ボスが出てきた瞬間思いっきりスクアーロ隊長が嫌な顔をした。

「よぉスクアーロ」

「久しぶりだなぁ跳ね馬ぁ」

どうやらお知り合いのようだ。

「あれ?幹部補佐変わったのか?」

相手のボスが私を見た。

「ああ。昨日からなぁ。みょうじなまえっていうんだぁ」

『はじめまして。よろしくお願い致しします!』

「おう!スクアーロの横にいるには随分可愛らしい幹部補佐だな!」

俺はディーノな!と笑うディーノさん。イタリアなのでこんな台詞は聞きあきている。

「うるせぇぞぉ跳ね馬ぁ!さっさと始めろぉ!俺は忙しいんだぁ!!!!」

すごく機嫌が悪そうである。ディーノさんは悪ぃなんて言いながら、笑顔から真面目な顔に変わった。

「言っておくがこっちはもう動き出してるぞぉ」

スクアーロ隊長が言う。

「こっちもアジトに見張りはつけてる」

「そしてお前の了承が得られればすぐ殲滅に向かうつもりだぁ」

「…そうか」

ディーノさんは迷っているようだった。スクアーロ隊長が出されたエスプレッソに口をつけた。

「悪い少し時間をくれ」

「何ぃ!?それを決めるための会議だろうがぁ!?」

「やっぱり殲滅ってなるとなぁ」

「本当にテメェはいつまでたっても甘ぇなぁ!!」

スクアーロ隊長がイライラしているようだ。

「ま、そんなカリカリすんなよ。新入りに引かれるぞ」

ディーノさんが私を見た。スクアーロ隊長は舌打ちをした。

『そんなことはないですよ?』

私はスクアーロ隊長を見て言った。

『でもその問題のファミリーですが、正直私も殲滅の方がよいかと思います』

「その判断理由は?」

ディーノさんが私に尋ねる。

『噂なので信憑性には欠けますが、あそこは最近動きが怪しいです。どうやら何か開発しているらしく、人道を外れるものだと聞きました。ただ、あくまでも噂です』

「…そうか。それは何だ?」

『…大量殺人のために作られた兵器と聞いてます』

それを話せば、ディーノさんの表情が曇る。

「どうなんだぁ?」

スクアーロ隊長が口を開いた。

「それが本当か確かめる術はねぇのか?」

ディーノさんが尋ねた。

「…知ってるかどうかはわからねぇが、彷徨いているやつを引っ捕らえるのが一番早ぇだろうなぁ」

スクアーロ隊長が言った。

「わかった。尋問までは俺たちでとりあえずやってみる。何かわかり次第本部に連絡する」

『あ、出来ればヴァリアーでお願いできませんか?』

私が口を開けると、ディーノさんは私の方を驚いた顔をして見た。

『本部がこの情報を握っているかはわかりません。ただ混乱をあちらの方にまで伝えると些か面倒なことになると思うので本部には事後報告の方がよいと思います。おそらくここまで把握できているそのファミリーの動きから憶測できることは、その兵器をボンゴレ、またキャバッローネファミリー相手に使う可能性があるということです』

ディーノさんの顔が一気に強張った。

「まぁそういうことになるだろうなぁ」

スクアーロ隊長が立ち上がった。

「出来るだけ早く手をうっとけよぉ。あとはもう用はねぇ」

行くぞぉ、とスクアーロ隊長が私に声をかけた。はい、と私も席を立ち、出口に歩き出したスクアーロ隊長の背中を追った。



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