Let's party!
フランさんとお昼を一緒に食べて帰ってきた。結局割り勘でってしてくれたフランさんは何だかんだって優しい。急いで書類に手をつけようと思っていたら、ルッスーリアさんに呼ばれた。
「なまえちゃ〜ん?ちょっといいかしら?」
『はい!』
自室の方へ急ぎ足だったが、Uターンする。
「スクアーロの誕生日パーティーもちろん出席するわよね?」
『え?幹部だけのですか?』
いつもルッスーリアさんが主に張り切って行われる幹部の誕生日パーティーは、隊全体となると大人数となるのでいつも幹部だけで行われていたのだ。
「そうそう!あれ?フランちゃんから聞いてないかしら?」
『何も聞いてないです!』
「あらら。あの子ったら」
まるでお母さんのようなルッスーリアさんと笑う。
「準備は私たちでしておくからいいわ。なまえちゃんにはその分別の仕事があるの」
『別の仕事ですか?』
「そう。スクアーロを広間までつれてきてほしいのよ」
お願いできるかしら?というルッスーリアさんの問いに大きくうなずく。
『はい!』
「じゃよろしく頼むわ」
ルッスーリアさんは楽しそうに私に背を向けて行ってしまった。私は手に持った包みをスクアーロ隊長に見られる前に、と急いで自室に戻り、書類を片付け始めた。
書類がある程度片付いたので、隊長のもとに提出しに行く。
『失礼します』
「う゛ぉい、帰ってたのかぁ」
『は、はい!』
出掛けるなんて一言も言ってないのに、なんて思って焦った。
「フランと出かけてたらしいじゃねぇかぁ。随分珍しいなぁ」
隊長が私の手にある書類を受け取りながら言った。
『な、何で知ってるんですか?』
「ルッスーリアから聞いたからなぁ。どこ行ってたんだぁ?」
『ちょっと買い物に…』
「そうかぁ」
まさか隊長のプレゼントを買いに行ってたなんて言えないのでそこは伏せる。フランさんの言う通りならば隊長は誕生日を忘れてる。せっかくならば、サプライズパーティーにしたいと、皆望んでいる。だから誰も隊長に何も言わないのだろうとなまえは何となく感じていた。
『それでは、これで失礼致します』
私はお辞儀をして、隊長の自室から出た。自分の部屋まで歩いている途中に、たくさんの荷物を持った部下たちと会った。
『その荷物は?』
「ああ、隊長の誕生日プレゼントですよ。あちこちから届いてて…」
部下たちはそう言ってそのまま通りすぎた。まだ隊長には渡さないらしいが、あまりの量に私も驚いた。ベルさんのも見たことはなかったが、このくらい届いていたのだろうか。
そして同時に怖じ気づいてしまった。こんなにたくさんのプレゼント。量だけじゃなく、一品一品の質もすごくよい。さっき見たものだけでも、超有名ブランドのマークやらがたくさん見えた。私があげるのなんて、所詮幹部補佐である自分が出せるくらいのお金のものでしかない。あげてしまっては迷惑かもしれない。それに、あんなものと自分のものを並べられるわけがない。自分のものなんて、あげられない。私はため息をついた。申し訳ないけれども、私はプレゼントをパーティーに持っていくのはやめよう。パーティーの参加を辞退することは多分できない。私が隊長を会場までつれていかねばならないし、そこで私が出ないと言えは多少なりともムードが悪くなってしまう。せっかくルッスーリアさんたちが準備してきたのだ。それを邪魔する理由はない。もちろんそれを望んでもいない。申し訳ないけど、パーティーだけに参加しようと決意して、私は残りの仕事に手をつけ始めた。
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