同じだ
「まぁお前の無理に気づけなかったのは俺の責任だぁ。だから少し位看病させろぉ」
『でも隊長にうつったら困ります』
「うつらねぇよ」
何を根拠にしてるかわからないが、自信たっぷりに言い切った。
ピピピと体温計が鳴った。37度5分。見たまま伝えると、わかったと返事が来た。スポーツドリンクの隣に体温計を置く。
『隊長戻らないんですか?』
「いや、風邪の時ってなんか寂しくねぇかぁ?」
『寂しいですよね』
私がそう言って笑うと、スクアーロ隊長がだよなぁなんて言う。
「だから寝るまではそばにいる」
『いいですよ子供じゃないんですから』
そう言っても隊長は引く気がないらしい。でも何だか嬉しかった。隊長でも風邪の時は寂しいんだなぁなんて思った。
「いいから寝ろ」
また頭をポンポン撫でられた。すごく心地よい。よくよく考えればそうか。あの日以来この手で撫でられていない。でも、あの日と何も変わらない安心を与える手だった。
『隊長』
「なんだぁ」
『ありがとうございます』
「ああ」
そう言った隊長の顔はあの日とはちょっと違って、困った顔ではなく優しい笑顔だった。
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