スクアーロ生誕祭201 | ナノ

同じだ


「まぁお前の無理に気づけなかったのは俺の責任だぁ。だから少し位看病させろぉ」

『でも隊長にうつったら困ります』

「うつらねぇよ」

何を根拠にしてるかわからないが、自信たっぷりに言い切った。

ピピピと体温計が鳴った。37度5分。見たまま伝えると、わかったと返事が来た。スポーツドリンクの隣に体温計を置く。

『隊長戻らないんですか?』

「いや、風邪の時ってなんか寂しくねぇかぁ?」

『寂しいですよね』

私がそう言って笑うと、スクアーロ隊長がだよなぁなんて言う。

「だから寝るまではそばにいる」

『いいですよ子供じゃないんですから』

そう言っても隊長は引く気がないらしい。でも何だか嬉しかった。隊長でも風邪の時は寂しいんだなぁなんて思った。

「いいから寝ろ」

また頭をポンポン撫でられた。すごく心地よい。よくよく考えればそうか。あの日以来この手で撫でられていない。でも、あの日と何も変わらない安心を与える手だった。

『隊長』

「なんだぁ」

『ありがとうございます』

「ああ」

そう言った隊長の顔はあの日とはちょっと違って、困った顔ではなく優しい笑顔だった。



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