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  13


なんて打とう。なんて送ろう。
違和感なく。普通に。普通…
普通って、なんだ?

「っだーー!!」

考えすぎて呼吸を忘れていた。
深呼吸ついでに出たでかい声が楽屋に響くと、ケータリングを爆食いしてたルフィが肩を跳ねさせて、振り返った。

「ビックリさせんなよエース!」
「あー…悪い」
「なにしてんだ?」
「いや、お前にはまだ早い」

なんだそれとフライドチキンをばくりと一口で頬張ったルフィを横目に、俺はもう一度スマホを見下ろした。
そこには当然、ニナとのトーク画面。この前、気持ちが突っ走って家に押しかけたもんだから、その後連絡を取れずにいた。中々な行動をしてしまったと今更冷静になって頭を抱えている。
分かってる。ニナは別にあの時のことこれっぽっちも大きく捉えてなんかないし、普通に連絡したらいいってことも。
……だから普通ってなんなんだ!

そのタイミングでコンコンとノックの音がして、俺はスマホを床に落とした。

「失礼します…って、エースさん大丈夫ですか?」
「…ヒビは入った」
「あちゃー…じゃなくて、お客様ですよ」

見事に画面に割れた線が入っているスマホをチェックしていて、全然マネージャーの方を見もしなかった。スマホの電源が無事入る様子が分かってから、客なんて知らねェぞ、と言おうとすると「あー!!」とルフィがさっきの俺よりもデカい声を出すもんだから、またスマホを落とした。

「てめっ、ル」
「ニナじゃねーか!」

「っは!!?」

ビビらせやがってと悪態をつくためにルフィを睨みつけようとしたら、ずっとずっと考えていた女の名前か聞こえて来て、自分でも信じられないスピードで顔を上げた。そこにはルフィが駆け寄るのに照れくさそうに笑っているニナが確かに立っていた。

「、な、なんで」
「あ、エースくん!こんにちは」
「あぁこんにちは…っじゃなくて!」
「友達と観覧に来たんだってよ」

そういえばしばらく姿が見えなかったサボがニナの後ろから現れた。

「せっかくだから楽屋にって、連れてきた」

……こんなにサボに感謝したことは、これまでにあっただろうか、いや、ない。(反語)
「ご挨拶できるならと思って!」といつもの笑顔を浮かべるニナに安心していると、ルフィが座れよ〜と腕を引いて俺が座っていたソファの方に連れてきた。
それにしても、なんだ、
ニナがやけにキラキラして見える。
俺上手く喋れてんのか?普通に出来てるか?
さっきより頭がごちゃごちゃして、ダメだ!

「よ、よお」
「エースくん元気でしたか?最近連絡ないから、お仕事忙しいのかなって」
「わ、悪い。連絡は…したかったんだけどよ」
「お仕事頑張ってて凄いです!」

キラキラと尊敬の眼差しを向けられる。
…仕事が原因では無いことは黙っておこう。







どうしても秘密!







じゃねェと、ダサいだろ

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