抱っこして見つめ合う



「うわー赤ちゃんの匂いするってばね!」


クシナ…ママに抱っこされたと思えばクンクンと匂いを嗅がれて冒頭に戻る。ゆらゆらと焦点の合わない視線を一生懸命ママに合わせる。


「ふふ、頑張ってるのね」

「クシナミルク作ってきたよ」

「ありがとうミナト」

「俺が狐里にやるってばよ!」

「ん、ナルトは立派なお兄ちゃんだね!」

「当たり前だってばよ!」

「ナルト!狐里の首しっかり支えるってばね!」


あちらこちらから手が伸びる。お腹が空いたのでそろそろそのミルクを頂きたい。じっと耐えることかれこれ数10分は経っている気がする。


「おぎゃおぎゃ(まだー??!)」

「うおっ!すまねーってばよ狐里!」


ありがとうナル兄。ちょっと首が不安定だがクシナママもミナトパパも3人で抱っこされて安心感はある。


「っ!(あ!)」


一生懸命吸っていたミルクが口から離れる。


「これ上手いの?っ!!!」

「こら!ナルト!なにしてるんだってばね!」


何を思ったのかミルクを吸ったナルトが苦い顔をする。私は悲しいかな反射で口をはぐはぐした状態である。


「不味いってばよ!狐里ってばこんなもんより一楽のラーメンの方がうまいってばよ!」

「赤ちゃんはミルクがご馳走なんだってばね!消毒してるんだからナルトは吸ったらダメだってばね!」

「いてっ!」

「ははは、」


赤い髪を振り乱し怒るクシナママ。私はミナトパパに抱っこされて避難中。


「やれやれ狐里、あっちでご飯しなおそうか?」

「あぶ!(うん!)」


赤ちゃんにも慣れてきた今日このごろ。
私はいっぱい抱っこされて育ってます!

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