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「ミナトっ!海だってばね!すごくきれい」

「ん、本当だね」


二学期期末テスト頑張ったということで冬休みにミナト、私は三泊四日で海の見えるペンションに旅行に来ていた。シーズンが外れていることもあり宿泊費などが激安であったことも理由のひとつであるが、“海に行ったことのない”という私の言葉で“じゃあ、決まりだね”と決まった。私はミナトととなら何処だっていいと思っていたけれど、窓から見える景色に目を奪われた。


「クシナ、はしゃぎすぎ。窓から落ちちゃうよ?」

「!!私ってば…ごめん」


慌てて席に着き乱れた髪を手櫛で治す。すると、まだ、乱れていたのだろう私の頭を撫でるミナト。あぁ、私の顔をきっと真っ赤になっていると思う。…恥ずかしいなぁ

窓から身を乗り出していたクシナをを心配して注意したミナトであったが、目の前ではしゃぐクシナを見て、海を見ただけでそこまで喜んでくれるクシナを可愛いと再度惚れ、また、連れてきてよかったと心底感動していた。


「ううん。もうすぐ着くからそしたら直ぐに海に行こうか」

「うん!」


満面の笑みではしゃぐクシナ。ミナトは微笑みクシナの頭を何度も撫でる。


「な、なんだってばね///」

「ん?かわいい」

「〜///」


クシナは初めての海に目を奪われ、そんなクシナをにこにこと飽きずに眺めているミナト。目的地は直ぐそこに…



(私の顔なにかついてる?)
(ううん)
(景色見たらいいのに…)
(だって勿体ない)
(え?)
(表情がころころかわるクシナを見逃しちゃう)
(っ!ばか!!)